2022年2月28日に小田原市教育委員会は、教育部の男性職員(60)を複数の女性職員に対する日常的なセクハラ行為(地方公務員法にいう信用失墜行為)を理由に、停職2ヵ月の懲戒処分にした(1)(3)。また管理監督責任を問われ、担当課長と係長2人の計3人が文書訓告、担当部長と副部長が文書注意を受けた(3)。
2021年1月頃に職場内の女性職員から同職場の係長に相談があったが、係長は上長に報告をせず、男性職員への口頭注意だけで済ませていた(1)。
2021年7月頃、この男性職員が別の女性の胸を触っているのを複数の職員が目撃して事件が報告された(1)。その際の職員や被害女性らへの聞き取り調査から、セクハラ行為は2011年から確認されていたことが判明した(1)(2)(3)。
今般、市教委は、最初に報告を受けた係長が報告を怠ったことから対応が遅れ、不適切だったと謝罪した(1)(2)。
同委は、2021年7月の事件の後、セクハラをした男性職員が被害女性らに謝罪を申し出た際に、その場を設定しようとした(毎日新聞は、2次被害のおそれがあったと指摘)(3)。
同年12月に所属長の指示により、男性職員から被害女性2人に謝罪の手紙が送られたが、被害女性らは「内容は受け入れられない」として職員の処分を要求した(2)(3)。
7月の事件の後も、2022年2月24日に処分が決まり、男性が自宅待機に入るまで、男性職員と被害女性らは同じ職場で勤務していた(3)。
市教委は、2021年1月と7月の行為を処分の理由としたものの、2011年から2020年の行為については問題にせず、調査を行わない方針(3)。
第1報を受けたYahoo!ニュースへのコメント欄では、長期間放置されていた点が悪質、上長が報告を怠った管理懈怠の責任を問うべき、当人の停職処分は軽い、といった意見が目立った(1.1)。
小田原市ウェブサイトでは、この件についてプレスリリースなどは出ていないもよう(都合の悪い事実はウェブサイトで発表しないのが小田原クオリティ)。
出典
- カナロコ「複数女性にセクハラ繰り返す「10年以上前から被害」 小田原市職員を停職処分」神奈川新聞社、2022年2月28日20:08 最終更新:2022年3月1日3:21
- 村野英一「セクハラした小田原市職員を処分 訴えから1年超、当初は謝罪文のみ」朝日新聞デジタル、2022年3月1日 12時50分、arc.
- 本橋由紀「セクハラ被害訴えに対応せず、職員の処分まで1年超 小田原市教委」毎日新聞、2022/3/1 15:46、最終更新 3/1 19:06、arc.