激しい噴火により飛来した噴積物が火山灰の地表面にめり込むような形で着陸し、くぼみを呈した状態をボムサッグといい、トウシキ園地海岸に多く点在しています。着地点の方角から西暦838年の「波浮の池」が誕生した時の噴火と考えられています。「波浮の池」の池中央から800m前後、池周辺からは500mほどの距離にあります。周囲には火山豆石や堆積物(火山豆石凝灰岩)が多く見られます。2010年の「伊豆大島ジオパーク認定」前後に一般に知られるようになりました。学術的に価値のあるものです、柵の中に入らないで下さい。一人ひとりが環境保全に心がけていきましょう。目の前の海岸には、溶岩流がぶつかり合って出来たトンネルのような光景がみられます。

近くのトウシキ遊泳場では地層に泥質砂岩が見られます。潟の底に沈殿した砂と泥がつくった水平な地層です。トウシキの海食崖地層は“元町泥質砂岩”と呼ばれ1500年~1400前の地層です。これらの地層はいずれも現在の海面より現海抜7.2m高いところにあります。という事は当時の気候は今と比べとどうだったのでしょう。

 

トウシキ園地海岸に点在するボムサッグ

豆石

溶岩流で出来たトンネル

元町泥質砂岩

 

関連情報


  • 「トウシキ(ボムサッグ)」(伊豆大島ジオパーク公式サイト/伊豆大島ジオパーク推進委員会)

噴火のときに空中を飛んできた噴石が、火山灰の表層にめり込み、くぼんでいるのがみられます。くぼみの形状を観察すると、噴石が飛んできた方向を推定することができます(写真左)。

この付近の海岸には、2つの溶岩流が合流しているところがあり、トンネルのようになっています(写真右)。

  • 「座布団を敷いた石(トウシキ、ボムサッグ)」(伊豆大島ジオパーク(外周編)パンフレット/伊豆大島ジオパーク推進委員会)

激しい噴火で飛んできた石が、地面にめりこんで残りました。凹みの形から、9世紀はじめに波浮港が噴火した時、500mほど離れたこの海岸に飛んできたと考えられています。

  • 「トウシキ(ボムサッグ)」(iアプリ「伊豆大島ジオパークガイド」/大島観光協会)

衝突の瞬間。

噴火のときに空中を飛んできた大きな石が、爆弾が落ちたように火山灰の地層にめり込んでいるのが見られます。まるで昨日のことのようにくっきりと残されていますが、これは1000年以上も前のできごとです。長い間に火山灰が硬く固まり、その瞬間の形がフリーズされています。めり込みの様子をよく観察すると石が飛んできた方向を推定することができます。 この近くには、二つの溶岩流が合流して、トンネルのようになったところもあります。

 

交通


大島バス
波浮港ライン「ぱれらめーる前」停下車、徒歩7分。
「元町港」停~「ぱれらめーる前」停間の所用時間は、おおむね29分、岡田港からの場合は元町港で乗り換え、岡田港~元町港間の所要時間は、おおむね20分。
問い合わせ:04992-2-5522
付近に駐車場・トイレ有。