乳ヶ崎は、大島の最北端に位置し、海に向かって高まりを見せる海抜96mほどの海食崖の岬です。地質的には古く、数十万年前の古い火山島である「岡田火山」の名残です。
乳ヶ崎からは三原山の全景、伊豆半島、富士山、遠く神津島までの大パノラマが堪能できます。三原山の中腹が白一色のオオシマザクラで覆われる4月初めの光景は圧巻の一語につきます。敵船を強弓で沈めた為朝伝説の「源為朝古戦場跡」や戦後処理の務めを終え、この地で 27歳で自決された若き将校を慕って有志で建てた「福井参謀の碑」があります。航空機の進入路になっており、風早先燈台を背にシャッターチャンスを待つ飛行機マニアの姿も見られます。
碁石浜海岸から乳ヶ崎を眺めると海に向かって高まりを見せる地層に、悠久の自然史を彷彿とさせられることでしょう。