それは突然の出来事でした、565年振りに割れ目噴火が目の前で現実に起きたのです。山頂口展望台からカルデラを望めば、安永の大噴火で出来たなだらかな丘の奥に見える黒い山肌が、26年前のB火口列噴火の跡です。内輪山左端、噴気がたなびく剣ヶ峰の裏側にも4つの噴火口があります。1986年の噴火は、11月15日に三原山山頂火口Aから噴火を始め、21日夕方に割れ目噴火Bが発生し、その後、外輪山山腹でも割れ目噴火Cが起きました。B火口列の噴火口は8つ、高さ1500m以上の火柱を吹き上げ、噴煙は16000mにも達しました。噴火をしつつ長さ約1100mに伸びた割れ目から大量の溶岩を吹き出しました。お鉢めぐりでは剣ヶ峰右裾のB2火口を間近に見ることができます。

 

B割れ目噴火口と裏砂漠・夏の風景

B割れ目噴火口と裏砂漠・冬の風景

B割れ目噴火口とB溶岩堆積物
 

関連情報


  • 「1986年B割れ目噴火」(伊豆大島ジオパーク公式サイト/伊豆大島ジオパーク推進委員会)

1986年カルデラ内割れ目噴火の溶岩流は、北部カルデラの北方向と北東方向に流れました。

写真中央右の黒い部分がB火口列からの噴出物が堆積したところ、その左奥が北方向に流れた溶岩です。