札幌の早春、桜鱒が旨い。
桜餅の桜の葉っぱ。塩漬けらしい。甘い餅に塩気と桜の匂いが旨い。この葉っぱ殆どが南伊豆町で作られている。この葉っぱとこの時期、北海道の大事な魚、サクラマスを重ねて料理にするなんて、菅谷の大将はなかなか、繊細なやつだ。呼ばなくても出てくるので、呼んでから出てきてよ、普通のシェフみたいにって、一度厨房に引っ込めるとさらに面白い。
http://chezsugaya-french.com
店は、札幌らしい古い民家を改築して、土足で入ることができるようになっている。鴨居が低いので、身長175を越える人は気をつけて。
結構この魚私達札幌の人間にとっては大事な魚。石狩鍋発祥の金大亭でもこの時期の鮭ではなく桜鱒を使う。
http://www.welcome.city.sapporo.jp/feature/ishikarinabe.html
桜鱒を食べると僕らは、早春から一気に初夏に向かうこの季節を感じるわけで。
新しい仕事のお祝いに、桜鱒とシャンパーニュなんて、なんて贅沢で幸せな街なんだろう。祝ってくれる親友にも、シェフにも、魚にも感謝の一日。
この日のコースは、鴨のオードブル、桜鱒のポワレ、イノシシのグリル、クリームブリュレ。詳しい料理の説明よりも雑談になって仕舞うシェフのせいで、料理は食べてみてって感じ。
2013.4.15 杉山幹夫