私が総合実践で学んだこと

参加前

やってみたい、でもやらない

 「総合実践」といういかにもアクティブな名前の授業があることは一年生のころから把握していた。楽しそう、面白そう、いろんなことができそう、受けてみたい!私が受けた第一印象はそんな感じだった。二年生になって、部活でもクラスメイトでも受けている、受けたことがある、という人が増えたときに、その人たちが共通して言ったのが、

忙しい、でも、楽しい

 だった。詳しく聞くと「人それぞれで活動が違うということで、忙しさも人によって違うし、内容も様々だ。」ということだった。

 そこで私は、ちょっと警戒心を持った。

 「楽しいのはいいけど、やることが人それぞれってことはほとんど何もやらない可能性もあるってことだよね。」と。

 私個人の話、

 「こんな取り組みがあるよ」「こんな面白いことやってるよ」と言われたとき、私は正直、自分でも自覚するぐらい惚れっぽいから、いろんな経験をしたいと思って、何でも「いいな!」って思う。でも、直接の関わりや直接近くで話を聞いたりしない限り、ほとんど参加することをしないで、チャンスを逃すことが多い。つまり、総合実践の授業をちゃんと受けられるかという不安が大きかった。

実際参加して

挫折、でも少しずつ  

前期

結果から言うと、

やっぱり活動にあまり積極的には参加できなかった。

 「周りの人はいろんなものを経験して、どんどん先に行っているな。」 とは思ったものの、私には難しいかなぁ、と少しあきらめもあった。

 そんな風にふわっと考えたいたときに、お菓子メーカーの方が大通高校に来て、話し合いをするという話を先生から聞き、これなら私にもできそうだと思い、参加した。参加した話し合いは、新商品「札幌名菓」の話し合い。企業現役の大人たちのプレゼンテーションの力をまじかで感じて、すごく楽しくて、引き込まれそうな部分がたくさんあった。話し合いの場を和らげるプレゼン、期待以上の仕事をしてで取引相手を魅了する力。

 そんな中でも、 授業として先生と生徒の間の距離感やウェブを使った発表などちょっと特殊な面も多いせいか少しずつ思ったことを言うことに抵抗が弱まった気がした。

 また、物の価値の見方、つけ方、広め方などといった普段あまり感じない部分の話を授業で取り上げて、それまでの販売に関する視点から大きく深くなったと感じた。

 そんな中、オータムフェスタで販売実習を行った。もともと人前に出て、何かを紹介・説明することはこの学校に来てからかなり慣れていたが、やはり、通りすがる人たちに話しかけるのは少し抵抗があった。でも、何人かに商品の説明をしているとだんだん容量がつかめて、周りの人への協力もできるようになり、とても楽しかった。二日目は、そのままの勢いであんないを行い、ちょっとつまずくことはあったけど結果的にうまい接客ができたのではないかと感じている。POPの使い方、作り方も大きく学ぶ機会が多かった。お客さんに「これはどんなものが入っていますか?」と聞かれたときに、言葉で言ってはみたものの何度か聞き返されることが多かった。そんな課題から、POP を活用すればわかりやすいのではないかという考えになり、いつの間にか、休日の空いている時間を利用してPOPを作っていた。自らできる範囲の行動をとれたと思う。

後期

 前期で、少しずつ活動に積極性が持てている感じがあったため、

「もっといろんなことを知りたい。」

 という思いがさらに膨らんだ。そう思ったときに、甘酒の販売をする人を募集しているという話が入り、自分がやりたいと思うのならやってみようと、参加を申し込んだ。

 当日、デパートの裏手集合で私は早くついてため、入り口から少し離れたところでほかの人が来るのを待っていた。そんな中でなんとなく、出入りしている人の様子を見ていると、老若男女の人々が、早歩きで中に入っていく様子が観察できた。皆さん清潔感を意識した服装であることや一人一人の表情に やるぞ!という気合が見えた。 それは、中に入って店頭に立っても変わらない。大手デパートの店頭に立つという自覚をいやでも感じるような空気にさらされながら、さらに、今回コラボさせていただいた会社のデザインの半被を着て、朝礼・開店を迎えた。販売が始まると、場所が違うだけでこんなに違うということを肌で体感した。客の雰囲気の違い、客足の運び方の違い、売り場の売り方・POPの作り方の違い・・・すべてが複雑に細部まで配慮するという意識を持たなければならなかった。

 普段と立場が違うと、知らないことがこんなにたくさんあるのかということ、もっと学べるところがたくさんあるということが浮き彫りになった。まだまだこれから経験すべきことがたくさんあるということを自覚した。

 その後の授業では、ともに活動した人たちとの交流も増えて、授業もより深く物事を見るという意識を持て、前以上に楽しく、参加しやすくなった。

 今は、キムチを使ったレシピの考案を数名の仲間とともに作成している。部活動などであまり協力できていない部分も多いが、これまで学んだことを生かして、わたしのできる限りの仕事をしてみんなでよいものを作っていきたいと思う。