こちらで 定山渓グランドホテル瑞苑 を記述

定山渓グランドホテル瑞苑の露天風呂


冬の露天風呂最高

 一つの大きな仕事を終えたので、仲間と定山渓に泊まった。

 札幌は街中に温泉があって、銭湯感覚で十分温泉を味わえるし、スキー帰りの日帰り入浴もいい。でも、たまには定山渓の老舗のホテルで、料理の格、お湯の格ともに、ちょっと贅沢な気分を味わいたい。たとえば、「ふるかわ」で海外のお客もいたので奮発して囲炉裏のある部屋をとって、シシャモを炙ってたべたると、大喜びだ。最近は温泉のはしごができる。料理の好きな宿に泊まって、浴衣姿で一番好きな風呂のある宿に行くのが いい。
 

 僕ら札幌の人間にとって、豊富な湯量でかけ流しが当たり前。掛け流しという看板に逆に違和感を覚えるくらい。定山渓のお湯は、特別肌にあっているのかもしれない。塩化物泉で、刺激はない、まるい、柔らかい湯触りだ。雪の美しい寒い日、なんかお尻の上というか、腰の下のほうが特に冷えていたのかと、お湯に浸かった時に思い出す。
 

 管理係のねえさんが教えてくれることがある。「あそこに座ると、源泉のお湯の力が一番強いわよ」。これは、鹿の湯のねえさん。川底の源泉に一番近い宿だ。
 瑞苑の姉さんは、泉源の蛇口をスパナで握って、拳でとんとんと、ちょっとだけ動かす技で調節していると教えてくれた。「0.1度でも、湯船の温度が随分変わだわあ。お天気でお客様のよろこばれるおんどもかわるのさあ」と北海道弁。

 

 宿によって、源泉との距離が違うので、それぞれにノウハウがある。客の側も、湯船のなかでの源泉の流れ方を知っているといい。ちょうどいい温度の場所が変わるので、湯舟の中の常連客が離れないところがあったら、そこで腰をゆっくり暖めるのがあいいのだそうだ。露天風呂の雪をみながら、冷やしたり暖めた りを繰り返すと、ちょっとやそっとでは冷えない身体になって、ぐっすり。週が始まって会社に出ると「なんだか、肌つやよくなっているし、定山渓行ったで しょ」。バレバレだったりする。

(2008年2月1日 写真・記 杉山幹夫)