空知のワイナリー
大泉洋主演の映画「ぶどうのなみだ」で舞台となり、話題になっている宝水ワイナリー。もともとは他のワイナリーに原材料のぶどうを提供する農家だった。
(ワイナリーの写真、倉内さんのも)
元岩見沢市長、能勢邦之さんが現社長の倉内武美さんのぶどう畑のロケーションに惚れ込み、どうすれば活かせるかと考えた末に生まれたのが宝水ワイナリーだ。
「この(ぶどう畑の)ロケーションを観光資源にするため、ワイナリーも造らないか?」能勢市長のこの一言から宝水ワイナリーの歩みが始まった。最初の頃は、ワインの知識もなく、原料のぶどうをいかに良い品質で育てるかに集中した。畑の水はけを良くし、できたワインを飲みながら醸造家と相談して次の年に育てる品種から育て方、収穫時期などを細かく変えていった。ワインを輸送した際に北海道と本州の温度差でワインに酒石酸が溜まっていて返品されたりと、成功より失敗のほうが多かったという。
9年間の苦労のかいあって全国メディアに取り上げられ、映画の舞台にもなった。「ワインの在庫が心配になるくらい全国の皆様から反響いただいている」と倉内さん。「これからもお客様においしいと言われるワインを造り続けたい」と希望を語る。
宝水ワイナリーを訪れる人にはワイン以外にも楽しみがある。常連さんは、ワイナリーでお気に入りのワインを買った後、ソフトクリームも買う。取材した10月、外が寒くても車の中で暖房を入れて味わう客も多い。バニラのソフトクリームには種類が2つあり、濃厚なミルクとさっぱりしたバニラがある。おすすめは、赤ぶどうと白ぶどうのソフトクリームだ。
宝水町で昔行われていた神社祭。神社がなくなった現在でも宝水ワイナリーで収穫祭が行われている。収穫祭は毎年9月の第1日曜日行われる。他にも、2か月1回、ワイナリーの2階でアートマーケットが開催されている。
映画「ぶどうのなみだ」の撮影中は、ワイナリーを立入禁止にして、ぶどう畑で夜中12時まで照明を入れて撮影をした。近所の方々にも撮影のことは口外しないようにしていたので、周りからは「宝水ワイナリーは最近おかしいぞ」と言われながら撮影作業を進めたという。普段体験できないことをたくさん体験できて楽しかったと倉内さん。
ワイナリーの2階のギャラリーには、映画に出てくる部屋や小物が展示してあり出演者からのサインの書き込みもあった。
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