こちらで 授業から広がる「可能性」 を記述

授業から広がる「可能性」

2年次 午前部 秋元 將吾

 

もっと知りたい

 ミツバチプロジェクトに関わる授業の一つに総合実践がある。1年間を通して授業を受けることで単位が認定される。学校で養蜂しているハチミツを使った商品開発や販売実習をすることで、ビジネスマナーや就職に役立つ能力を身に付けることができる。昨年度の総合実践では、『天然蜂蜜』『ハニロン』『蜂蜜ドレッシング』の3種類を商品化し、「チャレンジオータム2012」において販売実習を行い見事完売した。私は当時の受講生の様子をみて、もっと知りたいと思い今年度の総合実践受講を決めた。

 

 「接客下手よ!」と言われてしまい、一時的に心が折れそうになった

 毎年9月、大通公園で行われるオータムフェスト、その中でチャレンジオータム]という道内の高校生が大通公園4丁目会場に集まり、各地域の商品を販売するという実習企画がある。25年度は天然蜂蜜とハニロン、他校から仕入れた商品の販売に挑んだ。私にとってこれが初めての本格的職業体験。

 1日目は、チャレンジオータム初日ということもあり多くのお客さんが訪れていた。開店直前までは張り切っていたが、いざ接客をしてみるとなかなか声を出せない。恥ずかしい思いもあり、中途半端な接客。ある女性のお客さんから「接客下手よ!」と言われてしまい、一時的に心が折れそうになった。「このままではいけない」と感じた私は、お客さんへの言葉遣いや対応に気をつけるよう心がけた。巻き返したい、売りたい気持ち一心で努力したら、徐々に声が出るようになり、恥ずかしさも次第に消えていた。

 2日目の実習を迎えた私は、朝からしっかりと声を出すことができた。また、売り子以外にも店内レイアウトの工夫や呼び込み、蜂蜜の試食など果敢に取り組むことができた。この日最も力を入れたのは、他校が開発した商品を売る委託販売で、イベント期間中完売に向け大きく前進した。

自分でもできそうなことには積極的に参加した

 次に大きく関わったのが高校生チャレンジグルメコンテスト。道内の高校生が地元の食材を用いてメニューを開発し、見た目や味はもちろんのこと、販売の仕方なども審査対象として総合的に競い合うという新しいコンテストである。

 私は料理の知識は全くなかったものの、面白そうだなと思い参加した。10月のコンテスト本番に向け、6月に総勢9名のチームを結成して準備に取り掛かった。メニュー開発時は試作会で意見を出すことしかできなかったが、大会直前の長時間に及ぶ大量の食材の仕込み作業に参加するなど、自分でもできそうなことには積極的に参加した。またメンバーが私以外全員女子ということもあり、最初は戸惑いを感じたが、徐々に仲間意識が高まった。

Yes,honey!」を合言葉に、参加できなかったメンバーの分まで頑張ろうと一致団結した

 

 迎えた当日、体調不良等で欠席したメンバーが相次ぎ、6人で店舗運営を行った。それぞれが担当を持ち、私は主にパンを焼く担当をし、手が空いていた時はプレートの準備や店内の掃除などをして動きやすい環境作りを心がけた。注文を受けた際に全員で言う「Yes,honey!」を合言葉に、参加できなかったメンバーの分まで頑張ろうと一致団結した。結果は10校中3位と優勝は逃したが、他の高校には劣らないチームワークの良さから、絆を手に入れることができた。

知らなかったことが山ほどあった

 私にとって総合実践は高校生活を変えた転機だと思っている。私は人見知りで限られた人としか話せなかったが、地域の方や企業の方などと話す機会が増え、自分から少しだけ話せるようになったと実感している。また、グループ活動で協力することが多かったので、チームワークの大切さを改めて学んだ。また、街中で販売実習前にボランティアの方達とごみ拾いをした際に「毎日行っている活動なのに、なぜごみは減らないのか?」と疑問に思ったことや知らなかったことが山ほどあった。

 

自分に秘めている可能性を探ってみるのもいい

 このように、気になることがあれば自分からチャレンジしてみたらいいと思う。はじめは聴くだけでもいい、続けることで徐々に自分の意見を言ったり、周りに溶け込めるようになるから。そうして自分に秘めている可能性を探ってみるのもいいと思う。これからの高校生活でさらにさまざまな方と交流し、地域のことをはじめ多くのことを学んでいきたい。

そして、自分にできることや興味の湧くことがあれば行動に移していきたい。