札幌での稲作の成功


札幌で最も早く稲作に成功した早山清太郎にかんする記述がある。
札幌市北区の昭和50年当時の広報さっぽろの転載

以下、北区からの引用 地図は篠路出張所を図示

初代清太郎はこの猿田彦の面をつけて、今でいう「札幌まつり」の先導役をつとめた=北海道神宮蔵
 

開拓農民早山家

北区篠路出張所前から北へ15分ほど歩いたところに、早山(そうやま)という農家がある。徳川時代の後期、すでにここに住みついていたというだけに、庭の赤松、オンコ、モミジの樹々は、いかにも古い年輪を感じさせる。120年も昔、祖先が植えたものだ。

この家はかつての北海道小学郷土読本に、「札幌でもこの人より早く来た人がないのだぞ。札幌神社もこの爺さんが場所をお選びしたんだとさ」と書かれた早山清太郎以来の家柄である。
清太郎が郷里の福島県西白河郡からエゾ地に渡ったのは、嘉永5年(1852)。北区役所保管の除籍簿から推察すると、妻マツ、8歳になる長男・茂一郎が一緒である。
この年から清太郎は、松前で4年間人夫として働いている。その後、小樽ではニシン漁、張碓の漁場では菓子を売ったり、毛皮商人の手伝いなどをしたりして、その日暮らしの生活を続けた。
篠路に入地するのは安政6年(1859)、吉田松陰らが刑死した安政の大獄のあった年である。
「水害や悪天候のために、彼の水田は廃絶してしまったが、石狩地方の稲作の発展は、彼が早くから水田を試み、その結果が良好であったことに起因している」(『北海道の夜明け』から)
いままで米がとれないとされていた、この地方での産米に感激した函館奉行は、清太郎に賞金を与え、また、彼の数々の功績にのちの開拓判官・島義勇は「早山は……わが北海の主人なり」といった。
早山清太郎が91歳の長い生涯を終えた以後も、早山家代々は今日まで一貫して農業の道を歩む。二代目茂一郎(死去)から三代目勘之進(死去)へ。
そして、四代目茂さんは、今年57歳。「農業に見切りをつけることはなかなかできませんよ。体がきくまではと思っているんです」
早山家の農地の近くにも、団地や住宅が建ち始めて久しい。息子さんには将来のことを考えてサラリーマンを勧め、農業は自分の代で―と決断した茂さん。
日焼けしきったその顔は、冷害、貧困あるいは栄誉でつづられた開拓農民早山家の120年にわたる記録が深く刻み込まれているかのようだ。
そしてこの夏、茂さんは初めての「内孫」が生まれる。極めて珍しい「札幌っ子六代目」の誕生である。

(「広報さっぽろ北区版昭和50年3月号」掲載)

 

 

1852(嘉永5)年 早山清太郎が郷里の福島県西白河郡から北海道に渡る。
1859(安政6)年 篠路に入地。この地方での産米に感激した函館奉行は、清太郎に賞金を与えた。

島義勇は「早山は……わが北海の主人なり」といった。

清太郎は島義勇を琴似川の上流部のコタンベッに案内し、札幌神社(後の北海道神宮)の場所を決め、札幌扇状地の扇端、現在の道庁の湧水に暮らすコツネイのコタン、本村といわれた大友亀太郎の御手作場、その北に広がる湿原と自らの水田、そして、石狩河口の港を見せた。

 

島義勇は稲作の成功した平原と北前船で賑わう石狩河港、天然の良港の小樽と室蘭を見ていた

 

札幌と稲作

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関連資料
 

”稲の交雑に関する研究 第百報”のことなど-稲の遺伝と育種の背景-(その二)

https://eprints.lib.hokudai.ac.jp/dspace/bitstream/2115/30008/1/ronbun_p361-391.pdf

「1895(明治28)年、江頭庄三郎(新琴似村)は、「赤毛」の中より「坊主」を選出した」
 

 

江藤庄三郎が「坊主を選抜」小作の中田光治が美唄で「坊主」を栽培

http://ktymtskz.my.coocan.jp/S/noogyo/tukuba5.htm#7
 

北海道・マサチューセッツ協会

http://homas.sakura.ne.jp/homas62.pdf

 

 

 

 

北海道稲作の生い立ちと水稲生育の特徴

http://www.beibaku.net/rice/2011/manual/ricetext/ricetext_04.pdf

 

 

 

 

食用作物学II(イネについて)第九回 食味作物学研究室 柏木純一

 

http://lab.agr.hokudai.ac.jp/botagr/sakumotsu/documents/FCd9_002.pdf

赤毛:北海道で稲作が可能であることを示した歴史的品種(1873年に中山久蔵氏により導 入)
坊主:赤毛から選抜された直 播に適する無芒の品種
走坊主:北海道で初めて人工 交雑により誕生した品種(1924年)


品種改良30年 北海道のおいしい米は誕生した
https://sangakukan.jst.go.jp/journal/journal_contents/2013/07/articles/1307-02-2/1307-02-2_article.html