札幌で生まれたAHCC®が薬と併用される国

 アメリカに国民皆保険制度はなく、医療は産業であり、商品です。この環境で札幌で開発された機能性食品素材AHCC®(Active Hexose Correlated Compound:活性化糖類関連化合物)が、医師によって薬と併用され、効果を上げていると言われています。2017年には、AHCC®がメディカルフードとなったため、医師たちが患者への提案に一層自信を持つことになりそうです。

 株式会社アミノアップ化学(札幌市・代表取締役社長 藤井創)によると、同社が開発したAHCC®がアメリカで「がん患者の栄養状態の改善を助ける」とラベルに表示したメディカルフードとして使用できるようになったそうです。

 日本にメディカルフードの制度はありませんが、AHCC®と諸外国の制度、学術研究の報告を学んだ医師は、AHCC®と抗がん剤投与などの併用を行っています。一方で、患者は未だ自分の意思でAHCC®の使用を判断する場面が多くあります。がん患者に寄り添う医師たちが、この機能性食品素材について、よく学び、活用する場面を増やすことになりそうです。製造業の中でも食品産業が活躍する札幌の企業の活躍を誇りに思う札幌市民が増えてゆくでしょう。

以下にメディカルフードとAHCC®について情報を加えます。

 

医師監修のもと患者の栄養管理のために使用される食品

 メディカルフードとは、1983 年に米国オーファンドラッグ法によって定められた、医師監修のもと患者の栄養管理のた めに使用される食品のこで、病気治療のサポートになる食品として位置づけられています。

 

 

がんによる免疫機能の低下と栄養状態の悪化を改善

 AHCC®は、免疫力の調整をする機能の他に、がん患者のアルブミン値(栄養状態の指標)および CRP 値(炎症反応の指標)を改善する※1というデータの報告があり、がん患者の栄養状態を改善するとされています。がんになると、免疫機能が低下し、栄養状態が悪化します。また、がんの化学療法で摂食障害や低栄養状態といっ た消化器系の副作用を起こすことがあります。またAHCC® は米国の基準Self-affirmedGRAS※2で医師が患者さんに使用する安全性が認められていますGRASをクリアしてメディカルフードとなることで、医師がAHCC® を他の治療と合わせてがん患者の治療、支援に使われる場面が増えることになります。


※1 Yanagimoto et al. Nutrition and Cancer,68(2) ,234-240,2016
※2 GRAS:Generally Recognized As Safe の略。米国において専門家により安全であると認められた食品