こちらで 植物園 を記述

 

北海道大学農学部の植物園。入り口は北3西8東向き小樽出身の作家、伊藤整Ito Sei(1905-1969)が著書「札幌」1938(昭和13)年でこう書いています。

 「植物園で改めて気のついたことは、あの美しい芝生に靴穿きのまま入らせることだ。東京では市の管理している上野や 日比谷の公園の芝生に、原則として入らせない。芝生は見るためにあるのか、と言わねばならぬ。あの人数で踏み歩かれては芝生は持たないのであろう。が、芝 生はその上を歩いたり、坐ったりするのでなければ味いのないものだ」。

 今でも、北海道の人は芝生は寝転ぶものと思っている人が多いので、柵をして入らせない芝生をみるとちょっとびっくりします。踏み歩く人の数だけではなく、どうやら品種にも違いがあるようなので、専門家にたずねてみました。

 北大植物園の柔らかい芝はケンタッキー・ブルーグラス。「ふるーい品種でねー、ずっとこれですよ」と職員の方は話してくれました。明治初期に牧草として輸入され、野生化もしているそうです。寒冷な札幌の気候にあった品種。美しい緑は北海道の一つの風景です。