平岸に用事があって、その帰り、近所の先輩が連れて行ってくれた。
 

坂ノ途中という店の名前、店構え、17時からの営業。近所の家族連れが晩ご飯を食べている。豆もやしをさっと湯がいて味付けした自家製のナムルがまず旨い。腹掛に引きの細身で脚の細い対象と、キリッと三角巾を巻いた奥さんとお運びの女性の三人。近所まで来た理由を自然に話してしまった。メニューの地酒が釧路の福司と福島の大七。もう、本当に自分が好きなものを置いているんだなあというのがわかる。



焼鳥の焼き加減がやばい「100円のネギ間がこんなに質が高いのか?」と大騒ぎ。丁寧に焼かれている。
キャベツが0円ってまた驚いた。
つい100円の生姜味噌をたのんだら、これが、津軽のかねさに生姜。
札幌ラーメンにも海で食べる味噌おでんにもその下地にこの味がある。
かねさに白味噌の生姜を丁寧に炒り練りして透明感のある味噌に感嘆。

大将は「自分で店を持とうと思ったときから急に、料理にちゃんと向き合うようになったんすよ」とあっさりいう。
女将は「津軽で、両親が札幌に先に移住したとき、まだ高校生で残っていたんですよ。母の美味しい料理を食べられなくなったとき、その味を祖母に教わったんです。それから、自分でも作るようになった津軽の料理にはまって、この人と一緒になって、こういうことに」。
二人とも力みがない。そして、集中した料理。

先輩は、焼鳥を数本頼んだ。
「いや、暮れに開いたのは知っていてずっと見ていたんだけど、寒かったから家から出てくるのめんどうで。コートもいらなくなってやっと来られた」とかなんとかいいながら、狙っていたのがよく分かる。こういう先輩がいてくださるってのは本当に幸せなことで。

「タレでも塩でも、大将のおすすめでね」
まずレバーがタレであがってくる。一本食べ終わる頃に次のが来るので、すべて焼きたてを食べている寸法。

カウンターの吊りカゴにピーマン。
「そのピーマンどうやって食べるの?」

生でつくねと食べるのがいいという。

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