クラウドからのシステム供給で、物流が変わる

札幌のクラウドシステム会社、アイビー物流システムサービス株式会社(代表取締役 小野隆弘さん)は、全国で静かに「倉庫」を変革している。顧客の倉庫を滞留型から加工型にする。あるいは、すでに入荷した物品を店舗向け梱包するシステム機器は導入されていても、システムの不備や情報の流れの悪さ、機器の配置の悪さで、人に無理がかかったり、機器の力を出し切れていない事例を改善してしまうのだ。データもそれまでの汎用システムで分離していて改変が費用的にも、技術的にも負担だったものをあっさり乗り越えてしまう。例えば、商品ごとのリードタイム(メーカへの発注から店舗への入荷までの日数及び、時間)や食品のロットと賞味期限を把握した管理で、商品の倉庫での滞留時間を劇的に減らし、稼働率を上げている。同時に不良在庫を抱える体質を作らないところまでを提案しているという。「ファックスや電話で、賞味期限の確認をしたり、店舗にも問屋にも負担がかかってしまう業務をすっとなくせるといいですよね」という。

 

現場重視は経営を刷新する

現場職員の意見、感覚を丁寧に拾い、コンピュータの操作は必要なメニューボタンのみにする。色と形は間違いを減らす工夫がなされた上、画面の向き、棚、自動化システム機器の配置までを含めて提案することで、現場のやる気を引き出し、作業効率は人心も含めて向上し続ける回転を作る。お正月には画面にしめ縄飾りが出たり、ちょっとした配慮が職場に笑顔を産んでいるようだ。機器への無駄な再投資を顧客にさせることがないだろう。在庫の高回転率が「システム導入と作業員の解雇がセット」だという縮小発想を駆逐する。貴重は現場職員を確保して、ストレスなく仕事の質を上げることで、売上も粗利も増やす。全社員が会社の未来を作る構造を作る提案が自然に行われるという。

 

シンプルなシステムと現場思いの開発が仕事を楽しくさせる

システムは必要な機能を分解、ユニットにしてあるので、それを組み合わせるようにできている。そのため、開発負荷が少なく、迅速に顧客ごとのカスタマイズができる。8割がた構築したシステムを、作業着を着たシステムエンジニアが現場で調整する。そして、物流倉庫の自動化された機器、経理システム、倉庫の人の作業などとサーバ上のシステムとをつなぎあわせる。このため手戻りや開発段階でのテストに費やす時間がかからない。社長の小野さんによると「残業は絶対させない。みんな17時で返します」という労務管理も徹底している。やる必要のない作業をすることは人間にとって一番の苦痛。徹底して意味のある楽しい仕事を追求しているようだ。「私、倉庫フェチなんですよ。お客様の倉庫を拝見して、少しでも効率が良くなるご提案をするのがこの上なく楽しいんです」。

 

オープン思考は問屋と店舗両方を主役にする

もう一つのシステムの特徴はオープン思考だとう。メーカー、問屋倉庫、店舗の在庫をスマートフォンなどでも確認できる生産者、流通、発注者が繋がり、在庫状況を把握しあえる状況を作り上げている。日常のエレクトリックオーダーシステム(EOS)からの情報で自動的に発注される流れをしっかり作るとともに、賞味期限残日数などを見ながら、適切な値引きや企画立案をできるという。販売促進のイメージを、顧客の側からも、問屋の側からも、同じテーブルについて、あっという間に在庫を吐き出して行く現象が起きるという。店舗で在庫状況を見ながら関係者が判断できるのだ。情報がないことで起こる判断ミスや現場のストレスがなくなる。働きやすさが経営を改善して行く。ミスのない日常のルーティを作ること、臨機応変な企画や災害対策を考えること。二つの相反するオペーレーションもアイビーのシステムを使うと、混在が楽そうだ。

 

札幌のポテンシャルは高いと思う

「札幌にずっといると気がつかなったんですけどね、外に出るとこれが、いい街なんですよ。行った先で褒められるんですよね」。食べ物、夏の爽やかさ、冬の雪の美しさ、ゴルフ、スキー、いろんなものが褒められてしまうという。札幌の住所が入った名刺は本州から沖縄まで、各地で経営者と腹を割って話す入り口として使えるようだ。関西、九州、沖縄で重要な顧客がある。クラウドのサーバにすることで、どこにいても、システムサポートができる。「札幌は離れません。この街で企業として成長して、恩返しもしたいと思います」。会社、事務所のある界隈や、札幌市内で、自らの技術や企業として、次の世代を育てるような貢献をしたいという。今後、周りに、若者を大切にする企業が集まって行くだろう。

 

http://www.ib-lss.jp
アイビー物流システムサービス株式会社
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