札幌の中心部は豊平川が山から運んだ土砂で作られた扇状地の上にある。
扇状地は、扇型に広がる緩やかな大地のイメージがあるが豊平区西岡地区には急で長い坂道が多い。
「見返坂」もそのひとつ。
この坂は、豊平川が扇状地を削って作った崖(河岸段丘)を横断する位置にある。

実測による断面図札幌の扇状地は、過去に2回作られている
一回目は、1万年前の氷河期後期。
豊平川が定山渓の山々から運んだ土砂が大量に石狩平野の西部を埋め尽くし大地を作った。その時の扇状地を平岸面と呼んでいる。
その後2回目は、今から400年前。
藻岩山の裾野に沿って流れていた豊平川は扇状地を削り、溝をつくり、そこに運んできた土砂を堆積しながら次第に東へ流路を変え新たな大地、豊平面を作った。
その境目が豊平川と平行に真駒内から平岸まで全長6㎞も続いている崖(河岸段丘)となって残っている。
その崖を登る道のひとつが「見返坂」

この坂を登ると、そこは1万年前の札幌の大地、振り返り見えるものは400年前の札幌の景色(地形)
春のこの季節、藻岩の山並みと新緑の木々を観ながらの散歩には楽しい。