松浦と書いてマツラと読む

「マツラ」という言葉が「佐々町を南端とする現在の北松(ほくしょう)と呼ばれるあたりを一つの土地として認識する言葉」と教えてくださったのは「平戸・西海学」の編者で長崎県立大学公共政策学科の教授、吉居秀樹先生だった。

 

 

「西海の覇者」に描かれる平戸文化

 

作家の和田隆さんは小説「西海の覇王」中で、マツラについて以下のように記している。旧吉井町で佐世保市に合併する前の難しい町政を担った最後の町長で、現在は佐々川流域の案内活動をされている。


 平戸松浦(まつら)家が支配する地領の中心平戸島は、九州の西北部に位置し、南北に十里と細長い。島の形は尖った口先のない太めの”竜の落とし子”が、西を向いている姿を思わせる。一門の本拠白狐山城は、竜の落とし子の、人で言えば”うなじ”にある。

 このころの領地は、平戸全島のほか、島嶼(しょ)では隣接する生月(いきつき)島、度(たく)島、的山(あづち)大島(全て平戸市)、それに小値賀(おじか)(五島列島北部)である。地方(じがた)と呼ばれる九州本土には、御厨(みくりや)(松浦市)、田平(たびら)(平戸市)、深江(江向・鹿町)、吉田(吉井町)、佐々など、のちに北松浦郡となった地域の多くを支配している。

(2016,3 p25「西海の覇王」)


 

この小説には、松浦党と言われた海洋貿易の国の歴史がふんだんに表されている。

 

マツラの地へ

飛行機や新幹線で福岡、博多駅に着いた後は、JR九州の特急みどりに乗ると、天満宮のある太宰府、水郷佐賀城のある佐賀、武雄温泉、焼き物の有田、佐世保と旅ができる。有田駅と、佐世保駅でMR(松浦鉄道)に乗り換えて、山がちなマツラの地を巡られる。

「西海の覇王」を片手にこの地を何度も旅してみたい。

 

 

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