佐々川再生の会:川野浩一さん佐々川再生の会は、平成15年に設立され、以降毎月(!)第3日曜日、継続して佐々川の清掃活動等に取り組んでおられるボランティア団体です。副会長の川野さん、会長のお父様、川野さんを支える事務局の要で町役場OBの浜野さんにお会いすることができました。同会発起人の故前田好古氏の遺志を引き継ぎ、何より活動を継続されていることに敬服致します。

同会は、EM菌(Effective Microorganisms)という微生物の共生体による水環境浄化活動に取り組んで来られました。EM菌は菌と言ってもバイ菌の類ではなく、乳酸菌や酵母、そして、光合成をする細菌群等人体や環境にいい影響を及ぼす「細菌」として知られています。清掃活動とともにこのEM菌の効果を広く知ってもらうための講習会や説明会を開催しており、その功績が認められ平成26年、公益社団法人日本河川協会から河川功労者表彰を受けました。

「継続しモニタリングする」という姿勢(むしろ信念でしょうか)は、取水・利水・排水と様々な場面で川に寄り添う私達全てが思い起こさねばならない矜持でしょう。環境浄化も急激な環境変動に繋がると思えば、川に携わる全てのステークホルダーの合意形成を図るのは容易ではありません。しかし、私達が生活や経済活動の中で、環境を悪化するだけの存在だとしたら、あまりにも肩身が狭い。

同会では、学校のプールに生徒達が自分達で作ったEM菌ダンゴを入れて、水環境浄化の効果を体験する実験研修を開催したり、EM菌培養液で石鹸を作り生活排水が逆に水環境を浄化する仕組みを作ったり、私達が次の世代に今以上にキレイな川を遺すための持続可能な仕掛けづくりに取り組んでおられます。様々な資源が消費され枯渇する現代、ありがたく使わせていただきながら、子世代には倍返しする仕組みは、我が国が世界に誇れる知恵だと思います。