佐々を起点に旅をすると、佐々暮らしの楽しみが浮かんでくる。松浦鉄道で、佐々駅からぐるっと、佐々の属する松浦(まつら)文化の土地をめぐるとか江迎、たびら平戸口、松浦、伊万里、有田と旅したり、福岡、博多で遊んだり、佐賀で鍋島の文化に触れたり。そして、平戸からオランダ貿易を引き継いだ長崎も車でゆったり2時間程度の旅。
朝、7時過ぎに連れが小佐々のビジネスホテルに車で迎えに来たら、9時過ぎには長崎駅前についた。途中山が海に沈んだたくさんの入り江と大浦湾の美しい海の風景や豪快な橋を渡りながらの気持ちのいいドライブだった。車を預け、駅で遅い朝飯。名物の路面電車に乗って出島の停留所。
今は水門から中に入るようになっている。長崎の人々かコツコツ何十年もかけて、出島の建物を復元再生してきた後がわかり、着付けのサービスやちょっと聞き慣れない背の高い外国人の言葉。オランダ語を話す観光客に囲まれる。長崎市教育委員会の作ったビデオが建物中の所々で流れていて結構楽しい。黄色いポロシャツを着たおじさんたちは、長崎市の外郭のコンベンション協会に賛同したガイドさんたち。優しくて、楽しそうだ。表門から出島の外を見ると、現在は新幹線駅に移転を決めた県庁のあまり美しくない建物が見える。この後、かつて出島にかかっていた橋を再建するのが決まっているそうだ。「何十年かかっても、昔の出島を少しずつ復活したい」というおじさんの話、今ある建物の案内よりも長崎らしくて好きだ。
長崎と平戸を見比べて初めてわかることもあるんだなあと改めて、松浦の佐々から天領の長崎への旅を楽しんだ。
昼飯は新地の中華街。江山楼(こうざんろう)の長崎ちゃんぽん。やっぱりここのが旨い。連れがこだわって予約を入れてくれたので、時間まで思案橋、丸山交番を観たり、福砂屋の本店でくつろいだりできた。
街はおくんち。店や病院、ホテルに暖簾のような幕がかかり、祭りを大事にする市民の管が。靴を脱いで座布団持参でじっくり山車を見物するおばあちゃん。鐘や太鼓、兄さんたちの掛け声。音が独特な空気を作る。
港を歩けば、県立美術館、綺麗な芝生に木陰、遊ぶ子供。巨大な客船とくつろぐ客や船員たち。第七管区の海上保安官たちの爽やかな訓練の声。三菱の造船所と古いくレーンの風景。
江山楼のちゃんぽんだけじゃなくて、何気に頼んだマーボ豆腐また食べたいのできっとまた行く。
佐々を起点に旅をする