真白良媛 ( ましららひめ ) 

万葉秘話

岩代の浜松が枝(え)を引きむすび

まさきくあらばまた帰り見む   有間皇子

 

真白良媛 ( ましららひめ ) は 肌の白い美しい乙女だった。

斉明天皇が牟婁のいでゆに行幸のとき 有間皇子は謀反の罪に問われて 誅せられたが、真白良媛はそのことも知らずに 皇子を思いつついつまでも待ちつづけていたという。

白浜の海にのみ産する ホンカクジヒガイ という真白く 艶やかな貝は 媛の悲恋をいまもなお しのばせるものがある。