新宮駅前の徐福寿司で、若旦那が教えてくれた。地元の塩をたっぷり降ったシビ。シビとは鮪のことを指す言葉そうだ。春3月。今だけトンボシビの時期だという。トンボシビはビンチョウマグロのことだそうだ。醤油をつけずに、ここにサンズを絞れという。


「えっ?っていうくらい思い切り絞っておかけになってください」

「サンズって何?橙みたいあの?」

「そうですそうです。酸っぱいやつです」

 

塩と鬢長鮪の甘み、そしてサンズの爽やかな酸味。サンズの汁が米に回っても寿司は崩れない。ご飯に柑橘の汁。いわゆる和食のイメージを超えるようでもあり、和食そのものでもあり。

当てるのは「太平洋」という地酒。