恋人岬から見下ろす夫婦波。
褶曲の名前に付けられたフェニックスの名。
人間の日々の営みの時間では永遠と感じるほどの永い時間をかけて創られた豊かな自然がすさみ町にあふれ、他では見ることのできないダイナミックな大地を感じることができます。
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1.オン崎 (おんざき)
オン崎南側の波食棚では、付加体を特徴付けるスラスト(低角な逆断層)が観察できます。大規模なスラストの運動により、波食棚は強い力で地層が破壊された破砕帯となっています。紀伊半島の土台をなす付加体が、海洋プレートの沈み込みによって作られるときにできた松根-平井スラストの破砕帯です オン崎からの朝日・夕日の眺めは美しく近くには上ミ山古墳があります。
2.フェニックス褶曲 (ふぇにっくすしゅうきょく)
この褶曲は、かつての海溝に堆積した牟婁層群の砂岩泥岩互層が海洋プレートの沈み込みによって付加体となる時に形成されました。砂岩層が完全に固まる前に陸側に押し付けられ折りたたまれたものです。地層は全体として上下が逆さまになっています。世界的にも有名な褶曲で、中学校の理科の教科書にも採用されています。
3.黒島 (くろしま) 婦夫波(めおとなみ)
2つの島(沖の黒島、陸の黒島)と大小の岩礁からなります。紀伊半島の隆起と波の浸食によって形成された自然のパノラマで、枯木灘海岸の名勝の一つです。岬と陸の黒島間には陸繋砂州(トンボロ)が形成されつつあり、両側から打ち寄せる波が躍動的です。また、植生は常緑広葉樹林からなり、ウチヤマセンニュウの繁殖地となっています。沖の黒島には人気ダイビングスポットの海中洞窟「ガマ」があり ソビエトと呼ばれる岩もあります
4.戎島 (えびすじま)
紀伊半島の土台をなす付加体の牟婁層群に、マグマが貫入して形成された火砕岩岩脈です。マグマが地層の割れ目に網目状に入り込んだ様子や、周囲の地層がマグマに取り込まれた岩石(捕獲岩)を観察することができます。すさみ町から白浜町にかけての温泉がこの岩脈にそって分布します。
5.江須崎 (えすざき)
江須崎は昔の波食棚が隆起して海岸段丘となった地形が特徴です。紀伊半島の土台をなす付加体である牟婁層群の砂岩及び砂岩泥岩互層が観察できます。島全体が春日神社の社叢(しゃそう)として原生林の様相を呈し、暖地性植物の種類に富みます。
http://nankikumanogeo.jp/geosite/susami/ (南紀熊野ジオパークHP)