● この褶曲は、かつての海溝に堆積した牟婁層群の砂岩泥岩互層が海洋プレートの沈み込みによって付加体となる時に形成されました。砂岩層が完全に固まる前に陸側に押し付けられ折りたたまれたものです。地層は全体として上下が逆さまになっています。世界的にも有名な褶曲で、中学校の理科の教科書にも採用されています。

 

● なぜフェニックスなのか?

名前の由来にはいくつかあります。

この褶曲の近くに「アマドリ」という小字があります。このアマドリは、現在も国道横にある大きくオーバーハングした岩場で、昔の人が「雨宿り」した事から名づけられた地名ですが、実際はカタカナ表記であり漢字の標記ではありません。しかし、この近くにバス停ができることになったときにバス会社が表記を「天鳥」としたことから、近くにあるこの褶曲は、いつの頃からか「天鳥の褶曲」と呼ばれるようになりました。そしてある地質学者が海外に褶曲を紹介する際に、天鳥をフェニックスと英訳したと言われています。

↑「アマドリ」の語源となった「雨宿り岩」(写真左側)

 

また、この褶曲のある場所は小字を「黒崎」と言い、実際はアマドリにあるのではないため、「天鳥の褶曲」という名称は正しくないという事から、天鳥をフェニックスにしたとも言われています。

また他には、大きく折れ曲がった箇所を翼に、右側上部(割れ目の上あたり)を頭に見立てて、「翼をたたんで休んでいるフェニックス」に見えるから等の説もあります。

 

 ↑ 海上から。大きな鳥のようにも見えます。

 

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