なぜローカルウィキを使うのか について知っていることをぜひ教えてください
2014.10.11 杉山幹夫
街を大切にする人が増えるから
田辺市のローカルウィキを観て、自分の街のサーバを立ち上げて、近所の大好きなお店の記事を書いた青年がいいました。
産まれて初めて、自分の街の記事を公の場所に書いた。
責任を感じた。良さを正しく伝えたい。読んだ人が僕と同じようにこの店を愛してくれると嬉しい。
一人の友人の為に書いたけど、真剣に書いたから、多くの人に観て欲しくなった。
今迄旅先でしか味わったことのない街の光を、自分の街に見いだすことができてとても嬉しい。
これから、自分の街のことを一つ一つ調べたい。記事にしたいという気持ちになった。
大人になって、子どもが産まれて、そのお陰でやっと自分を受け入れられるようになった。同じように、自分の暮らす街の良さが分かり始めたときに、この活動を知って嬉しい。自分の好きなものを書き記していることが街の役に立つのは本当に嬉しい。
本当のことしか書けなくなるから
記事を書いているうちに、批評するのではなく、魅力を表現したくなります。
批判は面倒なので、表現したいものを書くことになると。地域の歴史、文化、産業、人々、未来、防災や祭、生活の楽しみと観光案内など、一つの記事がいくつもの役割をはらみ、連携して街を表現することになります。
誰もがどの記事でも加筆、修正、消去できるので、話を盛りすぎたり、嘘が書けなくなってゆきます。過去のデータが全残っているので、だれが悪戯したかすぐ分かるし、書き戻すことも一瞬でできます。正しくない情報、人道に外れるものは、街の人も世界中のライターも観ているので、誰かが消してしまいます。ゴミを散らかす人もいれば、片付ける人もいます。
正しい編集、描き直しは誰もが受け入れることになります。
いろんな人が使い回してくれるから
書かれたもの、載せられた写真や地図は全て、cc-by-saと言うライセンスで、コピーをしたり、出力して配ったり、営利、非営利を問わず、引用元を記せばどんどん使うことができます。
良い情報は街と世界を駆け巡ります。
情報が同じ場所に集まって発信されながら保存されるから
今まで頑張ってきたこと、これからコツコツやることが同じ場所に集まります。
たとえば、田辺にはあらがたなべえ調査隊の方々が描いてきた地図が沢山あります。このサイトに書き込めば保存と同時にネットでの発信になり、必要な情報だけを出力したり、加工して使ってもらうことができます。
逆に、このサイトを使いこなすと、普段の取材活動の結果を書き留めておけます。これから作る地図や記事を参加者みんなで共有しながら鍛えておくことができます。最後は製版して印刷するときの素材とすることになります。
図書館であり、頭脳であり、素材。引き出しの多い田辺にはピッタリです。年月を経て南方熊楠顕彰館の活動や図書館、教育機関の目的や各アウトリーチ活動と結びついて、地域の財産になるでしょう。
新たな魅力に気付くから
自分で自分の街の発信をすると、まるで旅をしたように自分の街の魅力に気付きます。外から来た人が街のことを書くこともできるので、自分たちが当たり前に思っている自分の街の魅力を外の目で気付かせてもらうこともあります。
室蘭で書いたトレールランニングの記事を観て、地元の人が翌週末そこに行ってみたと。
旅人も田辺を愛するようになるから
空から田辺を観たときに胸が痛くなりました。南紀白浜空港に降りるとき、田辺上空を旋回。そのとき、自分が描い防波堤や扇ヶ浜の海岸線、闘鶏神社の杜、美吉屋旅館、バニラカフェの位置が正確に蘇り、愛おしくて仕方がありませんでした。世界中の人に愛してもらえる街になるために、田辺を知ってもらいましょう。
次の世代と同じ思いを共有できるから
札幌や岩見沢では高校生たちが自分の街のことや学校のことを書いて「前よりも岩見沢が好きになった」「いい街にすんでいると思った」「良い高校に入れてよかった」という感想とともに、地域の名前や学校の名前を背負った公の場所に記事を書くことで、表現力や自己肯定力を身につけています。
防災意識が育つから
藤沢では、先の台風で、街を二分する境川が氾濫しました。ローカルウィキには上流の町田市の降水量、河口の片瀬港の潮位、中流の大和市や下流の藤沢市の川の水位をしらせるサイトを一カ所に集めたページができて、日常の散歩や潮干狩り、釣りなどの生活や楽しとあわせた発信、アプリ化などを議論がはじまりました。
境川のページ
住民組織がその活動を発信するためにローカルウィキとオープンストリートマップを使うと宣言しています。
旧東海道藤沢宿まちそだて隊
オープンストリートマップはとっても大事
このサイトに地図を載せる場合、やはり、コピーしたり加工したり、出力して配っても大丈夫な地図が必要でした。それが、世界中の人々が一枚の世界地図をつくるオープンストリートマップです。この地図の魅力は西村先生に伺いましょう。
感謝
カリフォルニア大学のデービス校で出合った三人の青年は「街の役に立つものをつくりたかった」として、この仕組みをつくりました。市民の7人に一人は記事を書き、ほぼ全ての大人は年に何度かはこのサイトを観るというものになりました。そして、世界中に無料で使ってもらえる方法を考えながら、使う人の動きを良く観察して、システムの開発を続けます。自分の街に役に立つものを作ったら、世界中で役に立つものになって嬉しいといいます。
マイケル
今日の獲得目標
日常的に記事を書きたい。年に一本、二本でも。と言う人に一人でも出合いたい。
田辺のローカルウィキの日常の編集会議をFacebook上に作ってくれる人に出合いたい。
参考事例
室蘭wiki 藤沢wiki会議 名取wiki編集会議 札幌wiki