2014.9.1から畿内での設営は着陸体制になってもできるようになったので、全体ももう一回乗る。飛行機はこのあと左に旋回。左の窓側は陸に向かって傾くので天神崎、田辺港などがとても美しく見えた。羽田から南紀白浜空港へ について知っていることをぜひ教えてください

初めて田辺の地図を描いたのは海岸線や防波堤だった。天神崎だった。海岸の形が美しかったので、ずれた部分を直したつもりが旨く行かなかったり。
だから、なんだろう。飛行機の窓から田辺の港やビーチが見えたときは、胸がキュっと痛くなった。なんだ、僕はこんなに田辺のこと好きなのかと驚く。

この日は西風。飛行機は向かい風で離着陸するそうだから、田辺上空を左旋回して東側から西に向かって着陸する。機体が左に傾いて、真下の田辺がずっと観ていられる。左の窓側に座っていた僕には幸運だった。


羽田から70分のフライト。飛び立つと東京湾。左側の窓だと富士山はは見えないのだけど、アクアライン、房総半島、富津の砂嘴、三浦半島の先っぽ、城ヶ島、すぐに伊豆大島が見えて飽きない。あれは利島、式根島、三宅島も見える。伊豆半島は伊東かな、修善寺かなと思っているあいだにあっというまに西伊豆の奇麗な海。大井川をこえると、御前崎が海に突き出している。天竜川すごいなあと思っていると、浜名湖がよく見えて、次は渥美半島かとおもってたらあっさり寝落ち。

気がつけば伊勢湾と伊勢、志摩も見落として、紀伊半島の深い山、森の上空へ。痛々しい土砂崩れの跡や、遠く青くなってゆく海、美しい蛇行の新宮側。支流と本流が合わさるときに水の色が違い混ざり合うまで川のいろが半分になっていたり。霞がかる先に本州最南端の潮岬と紀伊大島がはっきりと見えた。龍神の上空から、田辺の港が見える。

遊覧飛行のような左旋回で田辺の街と海をたっぷり観たあと、南国、アジアの離島のような空港に到着。そこから路線バスで40分、白浜のしらら浜のすぐ横を通ったりしらながら、紀伊田辺駅へ。

2014.10.12 杉山幹夫

 

どっち側に座ろう

席に余裕があったので、窓際に移動させて貰った。「お天気がいいので写真を撮りたいのです」と伝えるとキャビンアテンダントの笑顔。以前のように陸の上を飛ぶのかなと思い、羽田から飛び立って海側、つまり左の席に座ったら、今日は伊豆大島が雲の下。「富士山が綺麗に見えております」と右側の席も使わせてくれた。まるで小学生の相手をしてもらっているようだ。子どもの頃、初めて飛行機に乗せてもらってはしゃいでいたのをおもいだす。つい、撮れた写真をお見せしたら手を叩いて「綺麗です。すばらしい」と褒めてくれる。すっかり子どもと一緒だ。でも楽しい。


左側の窓から串本が見えたので、左側に座ってベルト着用のサイン。大失敗。右側の窓からは田辺が見えているようだった。飛行機は、南の会場から、北の陸に向かい、左に旋回して、滑走路を東から着陸。とても気持ちのいい風景だった。

「今日は右側に座ればよかったかなあ。どっちに座ればいいか先にわかるのかなあ」

「難しいですね。お時間がありましたら、機長に確認してみましょうか」

ロビーにいると、男前の機長がやってきて丁寧に説明してくれた。羽田から飛ぶ場合は右側に座った方がおおむね陸の景色がきれいなんだそうでだ。

2015 .2.20 杉山幹夫