災害時に必要な情報を受け取ることは困難になると想定されます。
しかし、食糧や水の配給、安否情報、ライフラインの復旧など、避難生活を送るうえで必要な情報はたくさんあります。
では、避難所内の情報はどのようにして共有すればよいのでしょうか。
また、情報を受け取る側としてどのようなことをすればよいのでしょうか。
ここではラジオ放送での情報伝達法を紹介したいと思います。
放送設備がととのっている場合、狭い地域でのラジオ放送をすることも可能です。
ラジオの長所として、電池があれば聞くことができる、電波が届く範囲内であればどこでも情報を受け取ることができるという点が挙げられます。
そんなラジオを活用した情報伝達法を調査しました。
それでは、放送原稿の書き方から見ていきましょう。
放送原稿の書き方
○5W1Hを明確にする
When(いつ)
Where(どこで)
Who(誰が)
What(何をした)
Why(なぜ)
How(どのようにして)
この5W1Hを書くことにより、具体的な情報が伝わりやすくなります。
○話し言葉で書く
話し言葉で書き、小学校五年生の子でも理解できることを目標にします。
ラジオを聴いている人の年齢層は様々で、すべての人が受け取りやすい言葉を選ぶことが重要です。
○言いたいことから書く
初めに言いたいことを書くことによって、災害時の混乱しているときにも一番重要なことを確実に伝えられます。
○一息で読める長さで書く
一文が長いと読みにくいだけでなく、必要な情報が何なのか分かりにくくなります。
○言葉を重ねない
同じ言葉を繰り返さずに、別の言葉に言い換えます。
例)たくさんの種類の物資がたくさん届いています→さまざまな種類の物資が十分に用意されています
○同音異義語に注意する
相手に誤解を与えない言葉に言い換える必要があります。
例)かんき(喚起?換気?寒気?)
このようなことをふまえて書いた原稿の例がこちらです。
ラジオ放送のしかた
○ゆっくりと読む
混乱した状況で読む人があせると聞いている人もあせってしまいます。
聞いている人がより確実に情報を受け取ることができるようにゆっくり読みます。
○文と文の間の開け方に注意
単語どうしの開け方によって文の意味が変わってしまうこともあります。
○情報をどんどん新しくする
状況が変化するのに対応して、新しい情報を提供できるようにします。
○必要な内容は何回も放送する
一回では聞き逃してしまう人もいるので、時間をあけて何度か放送します。
実際に放送設備を設置して訓練をした際に、落ち着いて放送することの大切さ、滑舌よく読むことの難しさを実感しました。
和歌山県では、避難所となるところに簡易放送ができる放送設備が導入される予定になっています。
今現在で、設備は整っておらず、災害時に必ず放送設備が整っているとは限りません。
しかし、以上で述べてきたように災害時にはめまぐるしく変化する状況を知り、対応していくために「情報」は不可欠となります。
放送設備がない場合には、自分たちでできる掲示板などの方法で情報伝達をすることが求められます。
なくてはならない「情報」を伝えるために、報道側は多くの努力をしているので、被災時には情報の受信者として報道側の努力を
考慮したうえで情報を積極的に集める姿勢が大切です。