天神崎について
天神崎は、田辺市の海岸にある岬の一つで、日和山を中心として緑が豊かです。
市街地からほんの数分で行くことのできる天神崎は自然の宝庫、自然観察に絶好の場所なのです。
また、天神崎はナショナルトラスト運動の先駆けとして知られています。
ナショナルトラスト運動とは、美しい自然や歴史的建造物を市民の寄金で保全していく運動のことです。
1974年、天神崎での別荘地開発計画が持ち上がったことをきっかけに、
天神崎の自然を守るために「天神崎の自然を大切にする会」が結成され全国からの募金による買い取り運動がスタートしました。
なので、今の天神崎があるのは、この運動のおかげなのです。
また、天神崎は、森、磯、海の三者が一体となってひとつの生態系を作っています。
観察できる動植物の種類は250種、野鳥で50種、虫は、クモ類だけでも、95種に上ると言われ、昆虫の住処として最適です。
海では、サンゴが60種ほど見られたり、潮の引いている2時間ほどの磯観察では200種類もの生物が観察できます。
そして、こうした、自然や天神崎の非常に平らで広い磯が自然観察や自然を親しむ教育の場としても重要とされ、大しけでない限り釣り人が絶えることはありません。
そうして、最近、天神崎は、暖流の黒潮の影響や、地球温暖化による水温上昇によって、猛毒を持ったヒョウモンダコやナガウニ、カキやフジツボといった南方系の生物が増加しています。
つまり、こうした身近な自然で地球温暖化の影響を受けているかもしれないのです。