・熊野古道の歴史について

 熊野古道とは熊野三山に通ずる参詣道の総称です。

 まず、熊野三山とは「熊野本宮大社」「熊野速玉大社」「熊野那智大社」の三つの神社の総称です。        

 熊野周辺は、日本書紀にも登場する自然参拝の地です。901年に宇多法皇の熊野への外出が最初といわれ、 花山法皇、白川上皇、後鳥羽上皇や平安・鎌倉時代の僧侶の一通文覚などの多くの歴史上で有名な人物が熊野へ訪れました。

 江戸時代には伊勢詣と並び、熊野詣は広く庶民が行うようになりました。一時は、熊野付近の旅籠に一日に800人の宿泊が記録されたこともあるそうです。しかし1906年の神社の合併政策により神社の数が激減し、熊野詣の風習もほとんどなくなりました。

・今の熊野古道について

 熊野古道は、こんなにも昔から存在していました。長い歴史の間、熊野古道が保全されていたのも地元の人々の保全活動の働きがあったからです。そして熊野古道には「忘れ去られたルート」というものが存在しています。このルートを発見しようとする地元の動きもあります。みなさんも熊野古道に訪れた際にはよければこの「忘れ去られたルート」を探してみてはいかがでしょうか。