皆さん!炭琴(たんきん)を知っていますか?

 炭琴とは、楽器のことです。この炭琴という楽器の特徴は、「備長炭」という田辺市の秋津川町で有名な炭を使って出来ていることと、高音で澄んだ音色をしていることです。

 炭琴の歴史は、昭和62年にさかのぼります。当時、備長炭に長く携わっていた、木下伊吉さんが炭同士の触れ合う音に注目し、秋津川中学校に開発を依頼しました。そして、理科の教諭として秋津川中学校に勤めていた愛洲誉夫さんらが楽器に仕立てました。 

 炭琴ができるまで、まず、炭の選別から始まります。節がなく、曲がりの少ない音のよい炭を選びます。炭琴としてつかわれる備長炭は、その中でも最高品質のものです。次に、炭を切っていきます。選別した炭の適度な太さで響きのよい部分を選らび、なたを使って割ります。炭は、のこぎりでは切ることができません。最後に調律をします。少しでも切りすぎてしまうと、音が変わってしまうので、とても大変です。炭は湿気を吸収しやすいので、乾燥剤を入れた箱に保存し、時々乾燥機にかけて乾燥させなければいけません。

 炭琴は色々な式典で演奏されることが多くなっています。最近では、和歌山国体の開会式で演奏されたそうです。その際、それを聞いた皇后陛下お気に召したので、炭琴が献上されたそうです。

 興味を持ってくださった方は、ぜひ調べて、きいてみてください。