右図は紀勢道の区間である

 

紀州熊野,紀南の交通機関

紀州熊野,紀南は本州最大の半島,紀伊半島の南部に位置する。現在は観光地として全国的に知られている。

しかし場所的には不便なところである。その不便を解消するには交通機関の充実が重要である。

紀伊半島には,鉄道,国道,高速道路などの近代的な交通機関があるが,近代的な交通機関の以前に紀州には熊野古道が存在する。

 

[熊野古道] 平安時代から残る道

熊野古道は建造年は不明だが,907年に宇多法皇が歩いたとされている。

その時に初めて熊野古道という単語が使われた。

田辺から熊野本宮に向かう「中辺路」,田辺から那智,新宮に向かう「大辺路」,高野山から熊野本宮へ向かう「小辺路」が世界遺産の区域になっています。

つい最近には田辺から和歌山市方面に向かう「紀伊路」も世界遺産になった。

 

[鉄道] 紀勢本線の前身と現在

時代はかなり飛んで…1913年に紀勢本線に初めてレールが敷かれた。

区間は新宮~紀伊勝浦(当時の新宮鉄道)

上に記載した通り、もともとは私鉄だったため現在の紀勢本線全線では特にこの区間は駅間が短い。

そして国鉄に移管されたあと,1940年には和歌山~新宮までレールが敷かれた。

現在のJRきのくに線の形とほぼ一緒である。(2)

所要時間は1978年と2016年は同じ区間(白浜→天王寺)で同じ所要時間であるが,昔の方が停車駅が少なかったので,現在のほうが進歩していると考えられる。

列車運行に関しては,.和歌山,御坊,紀伊田辺を起点に,

和歌山~御坊ではデータイム30分間隔,

御坊~紀伊田辺ではデータイム60分間隔

紀伊田辺~串本ではデータイム120~180分間隔,

串本~新宮ではデータイム120分間隔である。

 

[高速道路] 阪和道,そして紀勢道へ

阪和自動車道(阪和道)

現在の和歌山県を通る高速道路は,1974年に

阪和自動車道,.「阪南」~「海南」 を建設をはじめ,徐々に南へ南へ伸ばしていった。

また1994年に関西国際空港(通称関空)が大阪府泉佐野市に開港したため,海外とも和歌山県が近くなった。

大きな転機となったのは2007年に 大阪府の松原JCT⇔南紀田辺IC が開通。

一気に田辺市より南に住んでいる人にとって大阪が近くなった瞬間でもあった。

 

紀勢道

最初からさらに南へ延伸する計画はあったが,2015年の和歌山県で開催された,「紀の国わかやま国体」の開催に伴って,計画が一気に前倒しになった。

白浜まで先行開通をし,すさみ町江住地区のすさみ南ICまで延伸した。

通行料金は南紀田辺以南は無料である。

最終的には,串本町を通って新宮市,さらに三重県まで伸ばす計画がある。

要するに紀伊半島を一周する計画である。

この計画は将来起こりうる南海トラフ地震が起きた際への復興,物流確保のために山側に道が建設されるために,高速道路の名称は「いのちの道」と呼ばれる。

 

 

(2)現在の和歌山市駅は昔,東和歌山駅とよばれ,運行の拠点になっていた。