ここ最近、熊野古道や闘鶏神社などが世界遺産に登録され、

外国人観光客が増加している。

しかし和歌山(紀伊半島)と言えば近年発生すると言われる「南海トラフ地震」。

外国人観光客が被災することも十分にあり得る。

そこで、「田辺の外国人に対する防災対策は手薄なのではないか」という仮説の下、

田辺市の防災事情について調べてみた。


1.観光客の国籍比率

格安航空の利用もあり、日本文化や歴史に興味のある人が多く、田辺市のターゲットでもある。

中でもオーストラリアの比率が最も多い。

オーストラリアは安定大陸と呼ばれ、世界的にみると地震の少ない国と言われている。


2.街中の防災事情

裏通りや国道でない場所には看板や案内が少なく、

田辺の町並みと相まって非常に道がわかりづらい。

(かつて田辺は源平時代の戦場であり、敵に侵入された際、方向を眩ませるという意味で

 住宅街の道路が正確な格子状でなく、Y字路が多くなっている。またその形状は今日にも残されている。)

国道などに設置された看板(ここでは避難所を示す物)には英語の表記がなく、

外国人観光客には非常にわかりづらいと言える。(ものすごい偏見かもしれないが、日本に来る外国人観光客は基本的に英語を覚えてくる。)


3.市としての防災事情

市が配布しているハザードマップは、基本的に日本語のみ。

英語版は「必要なら印刷する」と二の次状態。

また、英語のみになっており、観光名所のパンフレットのように

中国・フランス語などに対応していない。


4.結論

近年になって建てられた建物や人の多く集まるところには外国人が見てわかるような表記があった。

しかし、まだ市街地の大部分は日本語のみがほとんど。

ピクトグラムや、最低限の英語の表記など、外国人でも

比較的簡単に理解できるような表記が必要だと言える。


5.筆者たちが考えること

  • 多くの外国人観光客は地震の経験がない人がほとんど。

震度1程度の揺れでもパニックに陥る人もいる。

避難が必要な状況の時はひっぱってでも避難する/させるのがいいだろう。

地震三原則の『率先避難者たれ』に準する。

  • 「拡声翻訳機」というものが存在する。(拡声器に翻訳機能が加わって、様々な言語に変換して話すことができる)

実際に成田空港などで採用されているようだが、国際的な防災意識という観点でみると、

世間的に導入されてもいいと思う。