私たちが富里市を訪れた11/15. 富里市では産業まつりが行われていた。

さすが農業や畜産業の盛んな富里市。農畜産品やその加工品、そしてそれを調理した屋台がたくさん出ている。おいしそうなものばかりで財布の紐がゆるむ。

餅をつく

そんななか、餅を無料で配布しているという情報を聞きつけた、私たち大学院生たちはさっそく農協の青年部の方の出すテントの列に並んだ。たくさんお客さんが並んでいて、途中でつきあがった餅のストックが切れてしまった。

「しばらく待たないとな」

と、思った私であったが、青年部の方々に「誰か、餅をついてみませんか」ということを言われた。

参加者唯一の男性である私に対して、他の学生から期待の目が向けられ(たぶん)るも、なんとなく躊躇した。しかし、青年部の方のこの一言が原因となり、餅をつくことに。

「人生変わるよ」

だったらやってみよう! と思い、数年ぶりにもちをつくことに。臼はプラスチック製だったが、それは木の臼はダメになってしまったからだそうだ。数年前の記憶によれば、杵は振り下ろす時には力をいれず、重力で打つことがポイントだったはず。運動不足の私にとってはとても思い杵を振り上げるも、やはり、振り下ろす時に力が入ってしまう。

 餅をつく筆者

だんだん、腕が重くなってくる。その頃、ようやく「あと10回」という声が聞こえてきた。必死に餅をつく。無駄に力が入る。加速度的に腕は重くなる。

そして、ようやく餅がつきあがる。

「君は今日から青年部だ!」

なるほど。確かに人生が変わった。農家でもなく、餅もロクにつけない私だったが、この富里市で非公式の青年部員になったのである!

すぐに、腕が痛くなってきたのでまだまだ若いな、と思いつつ、餅が出てくるのを待つ。

さっそく、食べてみる。ちょっと米粒が残っている気もしたが、うまい。周りの大学院生も「おいしい」と言いながら食べている。思えば、他人のために料理をつくることなどほぼない私が、食べ物で人に「おいしい」と言わせていることは少なくとも家族以外に対してはいままでにない経験だった。友人に食べてもらっておいしいと言ってもらえることがこんなにうれしいとは知らなかった

そう、まさに

人生変わったのである。