京橋の明治屋 について知っていることをぜひ教えてください

1885年(明治18年)明治屋は岡山県出身の磯野計(いそのはかる)によって創業されます。計は東京帝大の法学部を出た後、今で言う弁護士業をしていましが、当時の日本ではまだ弁護士の需要がありませんでした。10歳から神戸で学んだ英語も含めて、その能力を岩崎彌太郎に見出されて、郵便汽船三菱会社の給費留学生としてロンドンの貿易会社で学びます。帰国後、神戸の支社で働き、1885年に郵便汽船三菱会社と共同運輸会社の合併により、日本郵船会社を設立されたたのを契機に、計は三菱を退職して明治屋を創業。郵船が船で必要とする物資の全てを扱い、企業として大きく成長します。

明治屋は米英の商船、軍艦などとも取引を拡大するなかで、ジャパン・ブルワリーの経営者とも近くなり、代理店契約をすることになります。このことが、計の没後、経営を受け継いだ米井源治郎が、岩崎久彌に麒麟麦酒設立を懇請させることにつながり、麒麟麦酒誕生の原点となったと言われています。



子供の頃から、憧れて、食生活に取り入れていった、パン、ジャム、ハム、ベーコン、ピーナッツバター、ビスケット、マシュマロ、オリーブオイル、ビール、ワイン。なんと、憧れの品々のほとんが明治屋によって欧米から日本のもたらされていたのかと改めて感動する。手当たり次第に買い物カゴに入れたくなる。決して大きくない店。ごった返すこともない。しかし、客が絶えず、次々に明治屋とゆかりの製品が買われてゆく。小岩井農場の商品、富士ミネラルや日本酒の数々。日本人が好む舶来品の逆に、日本の良さがよく伝わる商品が並んでいる。外国人が好みそうなブランド名やラベル。

計、源次郎のセンスというか、明治屋によって、随分、舌を鍛えられたというか、好みを育てられたのだあと感服するばかり。