グローバルファミマ・ファミリーマート横浜公園前店

私が横浜の街を歩いていたときに、ふと目についたものがある。それは、ファミリーマート横浜公園前店のガラスに貼られている世界地図である。

タイトルに、「Map of the world」とある。それは紛れもなく、世界地図だ。

しかし、ただの世界地図ではない。「当店のスタッフ出身紹介」...!?よく見ると、その世界地図のいたるところにステッカーのようなものが貼ってある。

おそらく、スタッフの方の、出身地なのだろうが、かなりグローバル。

 

外国人スタッフにHELP!!

都市部を中心に増加を続ける、コンビニの外国人店員たち。もはや、彼らのカタコトの「アリガトウゴザイマシタ」は聞きなれたもののように思う。

しかし、日本人の中には外国人店員のことをよく思わず、冷たい対応をする方もいるようだ。信じたくない事実ではあるが、根強く残った島国精神なのだろうか。

そんな人も少なからず、残る中、こちらのファミリーマート横浜公園前店では外国人店員を歓迎しているとも捉えられる、企画を店舗の目立つ場所で行っている。

一体どんな思いでこちらの企画を行ったのか、この企画がどのように影響しているのかなど、実際に取材をする機会を頂くことができた。

私が思うに、日本にきている外国人からのHELP(職場の提供など)と外国人スタッフへのHELP(働き手の確保など)が相互に作用した結果が現代のコンビニなのではないだろうか。

しかし、人種についての思想はそれぞれ違うため、この記事を読む人の中には「賛同しかねる」という意見もあるだろう。

その点について、配慮した文章を心がけるが、大切なのはこのような思想があり、それを形にしているという事実があったということだ。

ぜひ、一つの思想、意見として見守ってほしい。

 

「Map of the world」企画発起人の方のお話

今回、ファミリーマート横浜公園前店様のご好意により、こちらの企画についての取材をする機会を頂くことができた。

この場を借りて、ファミリーマート横浜公園前店様に厚く御礼申し上げます。ご協力いただき、誠にありがとうございました。

 

ファミリーマート横浜公園前店の特徴

ファミリーマート横浜公園前店は中華街の近くに位置しており、その土地柄か住宅街の中にあるコンビニよりも、外国人の方からの応募が多かったとのこと。

アルバイトの募集をしても日本人の方からの応募は10人に1人程度の割合で、結果、外国人従業員の方が多い店舗になったということ。

外国人従業員が多いことにより、そのことをよく思わないお客様からは、

「外人を低賃金で働かせているんだろう! 」

「(言葉がうまく伝わらず、トラブルが生じ)クビにしろ! 」

「(外国人従業員が対応していると)店員を変えてくれ! 」

など、厳しいお言葉が飛んでくるということもあるとのこと。

だが、ファミリーマート横浜公園前店では日本人、外国人問わず時給は1035円

「うちでは、神奈川県の最低時給(1012円)で雇うこともしたくないんですよ」

と、従業員の方も話していた。

 

②「Map of the world」のきっかけ

①で述べたようなトラブルが起きた時、外国人従業員が多いことを隠すこともできたはずだが、そうはしなかった理由を発起人の方にお聞きすることができた。

企画の発起人の方の話によると、この企画は日本人のお客様と、日本に来ている外国人の両サイドに向けて始めたことだそうだ。

 

[日本人のお客様に向けて]

・クレーム対策として何かできないか

・外国人従業員に対する日本人客の意識の改革にならないだろうか

[日本に来ている外国人に向けて]

・「自分と同じ国から来ている人がここにいる」というふるさと的な感覚を持ってほしい

 

さらに、オリンピック・パラリンピックも数年後に迫っていた時期ということもあり、

「全世界のみんなで頑張っていこうよ!という気持ちを持って欲しかった」

とも話していた。

 

③外国人従業員の教育で心がけていること

この項はぜひ、日本人にも読んでほしい内容である。

 

言葉を省略してはいけない

 >言葉のボキャブラリーが少ないことや、日本語の曖昧さを利用して省略しがちな言葉をしっかり言葉にするよう、心がけているとのこと。

「大丈夫」は使わない

 >「大丈夫」は便利な言葉なので日本人でも使いがちだが、それだけでは伝わらないことがあるため多用は避けるようにとのこと。

 

また、教育以外にも採用面接の時、「日本語を勉強するためにここで働きたい」と外国人の方に言われた際には、

「その考えでは甘いですよ。お金が回っているところです。ここは働く場所であり、勉強する場所ではありません。」

と、説明しているそうだ。厳しい言葉に聞こえるかもしれないが、働くものとして当然の内容である。

そして、結局は外国人従業員のためになる言葉でもあると感じることができる。

 

最後に

発起人の方に話を聞いていると、外国人の方の気持ちがよくわかっているように感じた。そのため、「留学経験はあるのか」尋ねてみたが、その経験はないとのこと。

「旅行ではいろいろ行くのだけれどね〜」とのこと。

また、このような企画はファミリーマートの母体や、地域の店舗ごとで行われているのではなく、個人(個店舗)ごとに行われているそうだ。

「他の店舗でも、もっと素敵な企画をやっているよ」とおっしゃっていた為、そのような企画を知っている方がいればぜひ教えていただきたいと思う。

 

ファミリーマート横浜公園前店様、ご協力誠にありがとうございました。