横浜のアクセント‟タギング”

 

  この記事の主役となる横浜市は、綺麗に舗装された道路、市内だけで13万本を超える街路樹は等間隔に並んでいることからも分かるように洗練されたイメージを誇っている。赤・緑・橙のカラーリングが目を引くセブンイレブンも、この町の景観に合わせて色彩を調整している。

セブンイレブン山下町本町通り店

 私のように、横浜市について「おしゃれ」「整然としている」といったような感想を抱く人は少なからずいるだろうと思う。しかし、目線をすこーし下に下げてみると、この町にも「タギング」が存在していることに気が付いた。ここで、「タギング」とは何かwikipediaの力を借りて説明しておこうと思う。

タギングとは街のあちこちに見られるスプレーペンキで描かれた落書きの一種で、特に個人や集団のマーク(目印)とされるものを描いて回る行為・またはそれによって描かれたモノである。米国はカリフォルニア州サンディエゴのインペリアルビーチから発祥した悪しき文化であり、迷惑行為・犯罪である。(引用:Wikipedia)

 この説明文を読めば誰しもが思い浮かべることのできるあの落書きが、山下町にも数多く存在している。ある方が言うには、「どうせ描くならもっと思い切れよ。」とのことだ。その思い切ってしまえという気持ちはよくわかる。だって、タギングってちょっとかわいくない?あまりにも街に溢れかえっていれば、治安の悪い街というイメージが付きかねないけれど、電柱や自動販売機の裏にたまーに見えるくらいなら、街のアクセントになるのではないかと思う。もちろんタギングは犯罪行為であるから、それを助長するような行為は認められないけれど、バンクシーの壁画だってタギングの一種であることに変わりはないし。

 そこで、私は個人的に伸びしろがある・これなら残していてもかわいいんじゃない?と感じたタギングベスト5を作ってみた。

 それではカウントダウンスタート!!

第5位 

ゴミ箱のにんまり笑顔(・ω・)

  無機質なゴミ箱にちんまりと描かれているスマイルちゃんが良い味を出しているのでは?どんなキャラにも変身できる某人気アニメのモンスターにそっくりなような… ゴミ箱の上部に描かれているタギングと、ステッカーが少し色あせているのが時間の経過を感じさせてくれる良いアクセントになっていると思う。

 

第4位 

へのへのもへじアルファベット版

  デザイン性とアイデア性に優れているこちらのタギングが第4位にランクイン!!上のタギングは一見横から見た子供の顔のように見えて、y・s・y・g 4つのアルファベットの組み合わせのようにも見える。これはまるで、へのへのもへじ海外版ではないか。顔文字をアルファベットで描いてみる、という発想は非常に独創的で、作者のセンスが光っているように感じられる。

 

第3位

タギングといえばこれ

 街中の落書きと言われて思い浮かぶタギングそのもののようなこの作品がランクイン!!フェンスの隙間から撮影したので全体が見えないのが残念なところ。きっと進入禁止区域に入り込んでこのタギングを描いたのだろう。そういう犯罪性も含めて4・5位に大きく差をつけている。文字の1つ1つを、フェンスとおなじアイスグリーン色のペンキで縁取っているのがおしゃれだなーと思う。

 

第2位

王冠がカワ(・∀・)イイ!!

 緑の反対色であるピンクのスプレーペンキで描かれたこちらの作品。王冠をかぶったキャラキターがかわいらしい。なんといっても一筆書きでこのクオリティはなかなかすごいのでは?第4位の「へのへのもへじ」の下に、青色のスプレーペンキで描かれているタギングもこちらにそっくりである。同じ作者なのだろうか、、、

 

栄えある?第1位は……

正面から見たわんこ

 正直インパクトに欠ける色味とサイズ感のこちらの作品がまさかの第1位にランクイン!!しかしこの作品、第2位の作品と同様に一筆書きのクオリティーを逸脱しているように思われる。こちらの作者に紙とペンを渡して「自由に何かイラストを描いてみてよ」と言ってみたら、どんな壮大な作品が返ってくるのだろうか。ちなみに、私のイチオシポイントは、犬の頭頂部に見える3本の短い線である。この犬を目立たせたかったのか、何か意図があったのかは分からない。しかし、人目を避けながらササっとタギングをしている作者が、最後に力に気を付けながら3本の線を描き足したのかと想像すると少し可愛く見えてこないだろうか。

 

 以上、個人的タギングベスト5を見てきたが、街を汚すただの落書き行為が、少しかわいらしいオブジェのように見えるようになった。どこにでもあるタギングだけど、少し大げさに言えばコピーのない絵画作品ともいえるのではないか。街の景観を妨げない程度のタギングなら、目をつぶってみてもいいのかも知れないと個人的に感じる。お気に入りのタギングを探しながら街を歩いてみるのもいいのでは?

 

(引用元:Wikipedia タギングより https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BF%E3%82%AE%E3%83%B3%E3%82%B0 )