「本覺寺 西側ニアリ 海道ヨリ少シ引イリテ石階アリ ソコヲ上リテ山ノ上ナリ 曹洞宗 小机村雲松院ノ末 青木山延命院ト號ス 千光國師榮西 嘉禄二年草創ノ道塲ナリ 其頃ハ臨濟宗ニテ京都建仁寺末派ナリ 按ズルニ榮西ハ建保三年寂セシ人ナレバ 全ク勸請ノ開山ナルベシ 其後天文元年 雲松院第三世陽廣元吉 當寺ニ住セシ時 曹洞宗ニ改メシト云 本尊地藏ハ行基ノ作 坐像長一尺八寸 諸記録ニモ本覺寺ノ地藏堂ナドヽ記シテ 古クヨリ世ニ聞エアリシ本尊ナリ 客殿八間半ニ七間半 門ハ兩柱ノ間一丈 共ニ南向ナリ 裏門ハ東ノ方ニアリテ 門外ハ陸田ウチヒラケシ地ナリ 此門内ニ石地藏タテリ 當寺昔ノ權現山ノ砦ノアトナリト云 又寺ノ後ノ方ニモ 今城跡ト云所アリ 永正七年 上田藏人入道ガ 當所權現山ニ砦ヲカマヘ アタリ近キ本覺寺ノ地藏堂ヲトリコミテ要害トセシナドイヘルコト 古戦ノ記ニモ見ユルハ サモアルベク覚ユ」『新編武蔵風土記稿』国立国会図書館デジタルコレクション（著作権保護期間満了）
神奈川總圖 本覚寺※
※ 長谷川雪旦 画『江戸名所図会』１８９３年 国立国会図書館デジタルコレクション（著作権保護期間満了）
2016.4.16撮影
