ここでは、安養寺木造宝冠釈迦如来坐像 について紹介します。

在所 枚方市南楠葉二丁目38-17
種別 市指定文化財 彫刻
指定 平成21年04月01日
所有 安養寺

【ポイント】

①.鎌倉時代の作

②.木造製、東部に金箔の宝冠を戴き、定印を結んでいる高さ41.8cmの坐像。

【関連写真】

     

【補足説明】

①.教育委員会ホームページより

 鎌倉時代に禅宗とともに請来したのが宝冠釈迦如来像で、本像は頭部に金銅製の宝冠をいただき、定印を結ぶ高さ41.8cmの坐像です。小像ながら、バランスがよく、刀技の冴えた仕上がりを示す優品で、宝冠・胸飾りは後世の補修です。鎌倉時代後期に制作され、宋様式をよく伝えています。

 (一般公開はされていません)

②.木造宝冠釈迦如来像の特徴

 像高:41.8cm(現状)

 構造:ヒノキ材、寄木造

  小像ながら、バランスがよく、刀技のさえた仕上がりを示す優品である。

  鎌倉期に宋様式の影響を受けた彫刻が制作されるが、本像もその一例である。

  また、宝冠釈迦如来像は、この時期は禅宗とともに、新しい尊像が請来されるが、かかる動向を受けて造立された作例である。

 形状

  髪は総髪(ソウハツ)に現し、頭頂に髻(モトドリ<欠失>を結い、天冠台(テンカンダイ)をあらわす。

  頭部正面に金銅製の宝冠(ホウカン)<後補>を打ち付ける。

  面相は白毫相<欠失>・玉眼。

  目頭・目尻に群青をひき、瞳は外から丹・墨。唇は朱彩。

  耳朶は環状し、耳孔は内部に貫通すると思われる。

  三道刻出(サンドウキザミダシ)。

  体部は通肩(ツウケン)に大衣をまとい、腹前に定印を結んで、結跏趺坐(ケッカフザ)す。

  胸飾り<後補>を着ける。背面に袈裟の吊り金具をあらわす。

 構造

  頭部は前後二材に寄せ、差し首とする。体幹部は同じく前後二材を寄せ、膝前に横木一材を寄せる。

  両体側部に縦木各一材を寄せる。

  頭髪部を除いて、全面に布張りを施し、下地をおいた後、肉身彩色し、肉身部は金泥仕上げ、着衣部は切金で 卍 繋ぎ・麻葉繋ぎ文を表し、また盛り上げ彩色を施している。

  像底に底板を貼る。