かつ丼

「輪西店」では、
旅館や料亭のなべ料理のように
小鍋の下に固形燃料に火がついた状態で運ばれてくる

小がねのかつ丼を知らない方からすれば
これはもう「煮込みかつ鍋」と思うに違いない

庶民対象の飲食店としては、決して安い単品価格ではないだけに
ちょっと贅沢な演出の下、食べられるのはうれしい

味付けは、やや醤油の塩分が勝った室蘭的とも言えるもの
この塩梅は「天勝」や「なかよし」、「室蘭やきとり」のタレと共通しているように感じた
従って、ご飯がすすむ

セットで蕎麦やうどんもオーダーできるが
トンカツ自体が結構なボリュームで（２００ｇ位）
昨今の柔らかタイプとは相反する歯応えのあるものなので
お腹は十分満される

また、接客という点でも
輪西店はとても感じがいい
地元馴染みの歴史が長くなると
どこかマンネリ化しがちだが
ここの店員さんは、
いつも人の良い自然な笑顔で迎えてくれる

ちなみに
メニューには同じ値段で「天丼」があり
これは大海老の入った豪華なもので
衣は天勝とはまた違ったカリカリ感のあるもの
もちろん、蕎麦が美味しいのは言うまでもない

今やチェーン店では
ワンコインでかつ丼や天丼が食べられる時代ではあるが
伝統は守りつつも、競争力を失わない店として
いつまでも続いてほしい