岩を積んだ大将手作りの露天風呂。写真左が蒸し風呂の壁。これも手作り。蒸し風呂と混浴の露天風呂。なんとも言えない田舎宿のもてなしがある。右の板塀は女湯側。

 

 

こちらで ホテル山水 を記述

お湯は山水

 「そうだね、行くとしたら、山水だな。お湯は濃いし、気分がいいよ」。

 定山渓のラーメン屋の大将に「普段どの温泉に入るか」を聞いてみた。観光案内所に聞いて、温泉通の友人に聞いて、地元、定山渓で働く人に聞いてと、何人かに聞いてみたら、「お湯なら山水」と声がそろってしまった。「山水しか行かない」というやつまでいた。

 定山渓、国道230号線沿いで入りやすい。宿の反対側は渓谷に面していて、「奥」の感じがする。内風呂は男女別、定山渓温泉の峡谷を見下ろす露天風呂は混浴。女性には浴衣を貸し出している。外国のお客様にも、家族、恋人が一緒に時間を過ごせるので、人気だという。

 「ああ、泊りてえ。帰りたくねえ」というのは、ス キー帰りのお兄ちゃんたち。露天風呂に張り出した桜の木を指差す。

「これ桜っすよね。温泉の熱で、咲くの早いかもっすね」

 常連さんたちが、「ここのお湯はあたたまるから、くじきとか打ち身にいいですよ」とか、「これでもかってくらい、手間をかけた料理がたくさんでるんですよ」とか、つぎつぎに宿のことを教えてくれる。みんなすっかり「自分の温泉」として新参者を歓迎してくれるのだ。

 板前もこなす大将の笑顔はいい。あまり、混むとこまるのだが、紹介しないわけにはいかない。ちなみに、国道沿いの足湯は、山水のお湯をつかっているらしい。

(2009年3月1日・杉山幹夫)

 

札幌定山渓温泉 ホテル山水

住所 札幌市南区定山渓温泉東3丁目
電話 011-598-2301
営業時間(日帰り入浴) 12:00~19:00(土曜日、祝前日は15:00まで)
日帰り入浴料金 大人600円、小人300円。 回数券(5回分、2500円)あり。
アクセス JR札幌駅から車で約50分・じょうてつバスで約70分、無料送迎バス湯けむり号有り(要予約)