藤沢で暮らしていて意識するようになったものの1つが富士山だ。海岸からはもちろん、藤沢市内を動いていると思わぬところから富士が顔を覗かせる。駅のホームから、車窓から、ちょっと高台から、歩道橋から...
藤沢ってこんなに富士が見える町なんだ。海のある町に住むようになって、海だけではなくこんなに山を意識するとは思ってもいなかった。
四季や天候、時間帯によって表情を変える富士。湾曲した相模湾沿いから変幻自在な海を挟むと見る場所によってその景色が変わる。どの場所からどんな風に富士山が見える、それをまとめるだけでも楽しい藤沢MAPが作れてしまいそうだ。
湘南海岸から見る富士は昔から人々の心を捉えていた。その証拠に江戸時代の浮世絵にも湘南から海を挟んで見た富士山が数多く描かれている。
葛飾北斎の冨嶽三十六景「相州江の島」(山梨県立博物館HPより)
http://www.museum.pref.yamanashi.jp/4th_fujisan/01fugaku/4th_fujisan_01fugaku36_35.htm
江の島の岩屋洞窟と富士山麓の氷穴が地下で結ばれている、そんな伝説があるという。江戸時代の江の島は神仏一体の神聖な島。江の島から見る富士山は美しいと同時に畏れの対象だったのだろう。(2013年2月13日)