ここでは、案内板(世界遺産登録) について紹介します。

在所:京都府宇治市蓮華

【ポイント】

①.藤原頼道が藤原道長の別荘(宇治殿)を永承7年(1052)に寺院に改修。

②.開山は、小野道風の孫の明尊である。

③.創建時の本堂は、鳳凰堂の北方、宇治川の岸辺近くに大日如来を本尊とした。

④.天喜元年(1053)、西方極楽浄土をこの世に出現すべく阿弥陀堂(鳳凰堂)を建立。

⑤.現在は特定宗派に属せず、最勝院と浄土院が年交代で共同管理している寺院。

⑥.平成6年(1994)、世界遺産に登録。

⑦.平等院と周辺地域は琵琶湖国定公園指定区域「宇治川沿岸地区」に指定されている。

【関連写真】

 案内板設置風景2020_11_11 金只      

 

【補足説明】

①.案内板より

 平等院は、ユネスコ(国際連合教育科学文化機関」で採択された世界の文化遺産及び自然遺産の保護に関する条約に基づき、「古都京都の文化財」のひとつとして世界遺産リストに登録されました。このことは、人類全体の利益のために保護する価値のある文化遺産として、とくに優れて普遍的価値をもっていることを国際的に認められたことになります。

 宇治の地は、宇治川を望む景勝地として平安時代には数多くの貴族の別荘がおかれるようになりました。平等院はもと藤原道長の別業だったものを、その子関白頼道が永承7年(1052)に寺院に改めたものです。翌天喜元年(1053)に定朝作阿弥陀如来を安置した阿弥陀堂、すなわち現在の鳳凰堂が建てられ、さらに12世紀はじめまでには、法華堂・五大堂などの諸伽藍が造営されました。その後建武3年(1336)の戦火により大半の伽藍が焼失しましたが、現在は鳳凰堂と鎌倉時代再建の観音堂、鐘楼などが残っています。

 鳳凰堂は、中堂を中心にその左右に翼廊がひろがり軽快で優美な姿をみせ、背面には尾廊がのびています。中堂の大屋根の両端には鳳凰が飾られ、内部は絢爛な天蓋、宝相華文様や螺鈿装飾、さらに雲中供養菩薩、壁扉画などで荘厳されています。また鳳凰堂の前面には池を配した庭園が広がっていますが、これらは西方極楽浄土を具現したものです。

 創建当初には池岸の州浜が宇治川まで続き、対岸の山並みが迫っていました。この自然の景観を取り入れた日本固有の庭園形式は浄土庭園と呼ばれ、その後の阿弥陀堂を中心とした寺院庭園の原型となり、奥州平泉の毛越寺や無量光院、京都の鳥羽勝光明院など各地へ波及しました。

              登録年月日 平成6年(1994)12月15日決定 17日登録

                             宇治市