ここでは、菅原天神(長尾)のテンダイウヤクの群生地 について紹介します。

在所:菅原天神(長尾)の境内

【ポイント】

①.根は健胃薬として利用。

②.中国原産の常緑低木で江戸時代に中国より渡来。

③.葉柄は、三行脈の特徴。

【関連写真】

 群生状況

 葉の大写し

 

 

【補足説明】

 テンダイウヤクは中国原産の常緑低木。漢名は「天台烏薬」であり、江戸時代に渡来。根を健胃薬として利用する。高さ数mになり、細い枝を分けて林立する。葉は5~8cm程度で短く、三行脈が目立つ。表面は強い光沢があり、裏面は粉白色で白毛が散在し、脈にも毛がある。雌雄異株で、3月から4月頃に淡黄色の花を数個咲かせる。果実は直径1cmほどで、秋に黒く熟す。

 この地で、松枯れ後に再生したアベマキなどの生育する林の中でテンダウヤクが生育しているのを見つけた。数百m離れている半田山植物園に植栽されていたものから野生化したものと思われる。同じ林にはコジイも侵入していたが、これも同植物園からの種子供給である。植物園などに植栽される植物が、周辺地域に本来生育しない外来植物の野化を引き起こしていることは問題である。しかし、拠点となる森林が周辺地域への森林回復に貢献できる高齢である。