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愛染堂は熊谷市下川上にあり、1726年に建立された歴史的建造物です。「藍染(あいぞ)め」に通じることから「愛染様」の愛称で親しまれ、地元の人々だけでなく東京、群馬、栃木など関東一円の染色業者から厚い信仰を集めました。愛染堂のご本尊である愛染明王坐像は江戸時代前期の作とみられ、市指定有形民俗文化財になっています高さは1.5メートルにものぼり、愛染明王坐像としては日本最大級の坐像です。愛染堂は江戸中期から昭和にかけて東京を中心に関東一円の染職業界からの信仰を集めている。そのことは堂内に掲げられた絵額からも分かります。愛染信仰の範囲は、熊谷染色の歴史によると、「熊谷市、行田市、羽生市、加須市、騎西町、大利根町、吹上町、鴻巣市、北本市、上尾市、川越市、東松山市、寄居町、秩父市、大宮市、古河市、伊勢崎市、桐生市、前橋市、境町、太田市、草加市」と記述されている。

歴史:

 大同元年(806年)  9月 星川に洪水で流れついた愛染明王の仏像を村人が祀る。

                                (弘法大師が唐より帰り真言密教を伝える)

江戸前期        愛染明王坐像作

享保11年(1726年)  愛染堂建立

寛政 3年(1791年)  仁王門建立の願文(世話人:江戸の3名) 文中に「御丈5尺3寸」  

明治38年(1905年) 愛染堂無住

昭和32年(1957年)  9月 屋根改修瓦葺きに 熊谷市染職業者組合により

          10月 五十年一会 愛染明王御開扉 愛染講結成

平成17年(2005年) 縁日休止

平成20年(2008年)   愛染明王避難

平成23年(2011年)   東日本大震災で比翼塚倒れる

平成26年(2014年)  6月21日53年ぶりのご開帳

                                          8月 愛染堂保存修理準備会発足

平成27年(2015年) 2月22日 縁日復活 愛染堂保存修理委員会発足

 

文化財:

愛染明王(市指定文化財)5尺3寸(1.5m)の大きさを誇る江戸時代初期の作。

 藍染め絵馬(市指定文化財)4枚 天保年間

奉納額  尾高惇忠(富岡製糸場初代工場長、澁澤栄一の義兄)筆 明治21年 渋沢家の名前

奉納額 大正7年 願主石井市五郎 江戸町火消し「は組」の頭、玄冶店濱田家や芸者、女優の名前も見られる。