大石順教尼さんは明治21年に大阪に生まれ、80歳で遷化(せんげ)された方で、波乱万丈の人生をお送りになられました。
若い時から芸妓として活躍していましたが、17歳のときに堀江事件の被害者となり、両腕を失いました。
その後、さまざまな仕事をされていましたが、国文学・和歌・日本画の勉強を続け、帯のデザイン等で生計を立てていました。
37歳のときに、身体障がい者の方の福祉相談を始め、45歳の時に出家し「大石順教」となり、生涯身体障がい者の方につくす献身的な生活をされました。
それらの活動と並行して、口筆による書画や写経を数多く残されており、作品が多く展示されています。
九度山には得度(とくど:出家のこと)する際、萱野家に逗留されたことから、萱野正之助ご夫妻と生涯を通じた交流があり、身障者救済施設の建設を目的とした行脚の際にも萱野正之助氏が旅に同行されています。
これらの縁から平成22年に旧萱野家を大石順教尼の記念館として開館されたものです。
口筆で書かれたとは思えない活き活きとした筆致は一見の価値があります。また、順教尼の生き方や考え方も20分ほどの編集された映像記録として垣間見ることができます。
休館日:毎週月曜日・火曜日(祝日は開館、翌水曜日振替休日)
営業時間:午前10時~午後4時
住所:和歌山県伊都郡九度山町九度山1327
電話番号:0736-54-2411
※入館料は無料です。
※館内は写真撮影は禁止です。