2015年12月、400年前から受け継がれてきた持続可能な梅を中心とする農業システムとして世界農業遺産に認定されました

(1)紀州備長炭の「薪炭林」で山を守る

昔から「薪炭林を残すため、山全体を梅林にしない」という習慣が守られており、紀州備長炭の原材料のウバメガシやカシを択伐することで、土砂崩れや山があれるのを防いでいます。

 

(2)ミツバチによる受粉で梅が育つ

梅の多くの品種は、自家受粉できないため、他種の梅を近くに植え、その花粉で受粉・結実させます。しかし、何百という木に手作業で行うのは困難なため、古くから受粉には日本ミツバチが利用されてきました。この需要と供給の共生関係が高く評価されています。

 

(3)梅の収穫・加工技術が高品質の南高梅を生む

ほとんどの梅の生産農家が、収穫した梅を白干にする一次加工まで行います。そのため、南高梅は栽培の段階から良質の梅干しになるように育てられます。また、加工業者も南高梅の魅力や特徴を熟知しています。

 

(4)薪炭林から海辺まで多様な生態系を保つ

「持続可能な農業システム」により、土壌の崩落や流出が防がれ、総合的な自然環境が守られるため、多様な生き物の生態系が維持されています。