紀州備長炭ができるまで

備長炭の原木はウバメガシを釜の高さに切りそろえたもの。この択伐という作業で太い木は伐り、細い木は出来るだけ伐らずに残しておく。

ウバメガシの原木は曲がった木が多いため、釜に入れる前に木ごしらえをする。まっすぐにするために下の写真のように切れ目を入れたりくさびを打ち込んだりして一本ずつ職人の手で丁寧に形が整えられる。

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いざ釜に木を入れるとなっても釜の中の温度がなるべく高いうちに木を入れたいので、「たてまた」という道具を使って木をくべていく。(木くべ)一度に釜に入れる原木の量は約4000キロにもなる。

そして釜の中で約2週間炭化させる。職人は匂いや煙の色で窯の中の状態を判断しながら、火を調節する。はじめは水分を含んだ白色の煙が多く、段々と青っぽい色に変わリ、また酸っぱい匂いになってきたら炭化の合図。

1000度にもなる最終の「精錬(ネラシ)」作業に入る。半日~1日かけて焚き口をゆっくりと時間をかけて開けていき、窯の中に空気を送り込んでいくことで一気に炭化が進む。そして木の色が赤から金色に変わったら「窯出し」という炭を釜から出す作業に移る。

窯から出した炭に素灰(土と灰)をかけて消火する。出来上がった際に表面が白くなるのは消火の際に素灰が付着するためで、色が白いほど品質の高い良い炭とされている。

最後に職人の厳しい選別により等級別に分けられる。

備長炭は最初に入れた木の重量の10分の1しか残らない。

 

備長炭の使い方

調理、燃料(火力)・浄水・炊飯・お風呂・消臭、調湿・インテリアオブジェ・園芸・虫除け(木酢液)・備長炭電池・ぬか床、黒にんにくの消臭