保育園、地図でさがそ! について知っていることをぜひ教えてください

札幌の心優しい技術者達が作った保育園マップ誕生


コンピュータ技術で街を楽しくしたいと、技術者が集うCode for Sapporo(コードフォー札幌:CfS) の「パパママまっぷチーム」が札幌市が公開するデータを使って、【さっぽろ保育園マップ】を作成した。使い勝手は進化中!

さっぽろ保育園マップ
↑クリックすると、すぐに地図上のデータを見られます。(IE8以前は非対応)


認可保育園、認可外保育園、幼稚園、公立の小中学校区が表示できる。アイコンをクリックすると各保育園の開園時間、対象年齢、延長保育・一時保育・夜間保育の有無などが表示され、保育園の公式サイトにもリンクしている。

認可保育園を探している人、今の保育園に満足できずに悩んでいる人、子どもができたから引越しをしようと考えている人、札幌へ転勤が決まって保育園、幼稚園を探している人など活用方法は様々。認可保育園に入れるために引越しを余儀なくされている人は、将来どの小学校に通うことになるのか、小学生の兄姉を転校させずに通える保育園はどこかも考えることができる。


こんなに沢山の保育施設やサービスを知って欲しい


札幌のシェアオフィスでプレゼンテーションする久保さん「毎年新しい認可保育園が出来て、中にはまだ定員に達していない所もあるんです。札幌市のサイトには入所率の情報が出ているので、これを使って欠員のある保育園を表示させる機能も追加したい」と札幌市の公開するデータを取り込んで、分かり易いように地図に加工し、改善をすすめようとしているのは、久保まゆみさん。「Code for Sapporoパパママまっぷチーム」のリーダーで地図データを扱う仕事をしている。彼女とCode for Sapporoに集う技術者、そして、札幌市子ども未来局はデータの扱いを丁寧に協議して、発信の改善を一歩勧めた。充実した行政のサービスを多くのユーザに届にとどけたい。

久保さんは「マッ プを見た方々からもっと色々な情報が知りたいと要望がありました(紙おむつ/布おむつ、保育中の投薬の可否、冷凍母乳対応の可否、保育園への親の関わり…)。これらを私たちが収集するのは難しいので、ユーザーに記入してもらう仕組みができたらいいな」という。行政任せではなく、ユーザからの情報で更に発展させようとしている。「将来的には学童保育や児童会館の情報も追加したいと思ってます」と、親たちが意外に苦労している小学校に上がるときのことも見据えている。
 

「地図化されていないデータがそこにあって、助かる人が沢山いると分かっているとムズムズするんです。作っていて楽しいし」と自分の楽しみだと言い張る久保さん。
「息子を預けている保育園にすごく感謝しています。親子共々素晴らしい経験をしているので、保育園に預けようか悩んでいる方は見学に行って欲しい」という。


ああ、これから毎日保育士さんに会えるんだ!


「今は保育園と夫と協力して大変だけど幸せな育児が出来ています。でも、育児休暇中は体力もなかなか戻らないし、息子が泣いて家事は進まないし、外は雪だし、出かけようとしたら息子は寝ちゃうしってほとんど家に引きこもっていました」という。「初めて保育園に息子を預けた日に、ああ、これから毎日保育士さんに会えるんだ。小さな疑問も簡単に訊ねることが出来るんだって本当に感動して、背中に羽が生えたような気持ちにな りました。息子の成長にしても、ちょっとした風邪の具合にしても、未熟な親だけではなく保育士さんにも見てもらえるという安心感がすごく大きかった」。

ご自身も、産前休暇に入ってから実際に保育所の見学を始めるが、保育園一覧表を見ても職場と自宅と保育園の位置関係が簡単に把握できない。認可保育園の入所が叶わず待機リスト入り。一覧表を見直して「ここにも預けられたかも、見学に行けば良かった」と思うこともあった。札幌市のサイトをよく読んでみると、認可保育園も一時保育を行っていることを知った。充実したサービスがあるのにその情報をつかむのが難しい。「職場復帰して、子どもが1歳をすぎてようやくパソコンに向かう時間が作れたので」コツコツ、一人で地図を作り始めた。その後Code for Sapporoの技術者達に出会う。


「三人兄弟の末っ子で母親に甘えて育ちました。三人目で母親も育児に慣れていたので、泣いてるなら大丈夫ね~くらいの扱いでした」と子どものころを振り返る久保さん。初めてのお子さんを故郷を離れて育てるにはそれなりのご苦労があったはず。札幌には「おじいちゃん、おばあちゃん」が近くにいない若い世代が多い。「息子が保育士さんに本当にあたたかく見守られてニコニコ育っているので、今どこかで苦労している親子がいるかもしれないと思うと居たたまれない」という。
「このマップは厚生労働省、文部科学省、北海道、札幌市と担当が分かれている保育所、幼稚園、 小中学校などの情報を一つのマップの上に表示しているんです」と、これからのユーザ本意の情報発信のあり方を実現してみせた。

 

Code for Sapporoってなに?


なかなか顔を合わせられないので、集まると直ぐに改善の打ち合せ。画面を見せる鈴木さん。覗き込む川人さん中核で活動する川人さんと鈴木さんは力のあるフリーランスのエンジニア。「”Codeでまちをちょっと良くしたい”という活動をされていたので、保育園マップにもご賛同頂けました」「全くのボランティアで、鈴木さんが夜な夜なプログラムを書いても、翌朝、私に『うーん、これはちょっと違う。〇〇に修正して欲しい…』とか言われるわけです」と笑う。久保さんは優しく対応してくれたお二人には感謝の言葉もないそうだ。

「私は思いつくまま話してしまうので、自分でも時々混乱するのだけど、川人さんは打合せの時に私の話をさらさらと図にまとめられて、感動しました。お二人ともエンジニアらしく頭がキレる上、すごく温和で感動します」という。実際お二人にお会いすると、穏やかで、自分の技術には厳しくて、人の話をよく聴いてくれるいい男達だ。

 

まだ雪が好きです


久保さんは「札幌大好きです。私は千葉・東京で育ったので雪がめずらしくて雪国さっぽろにすごく憧れていました。札幌に住み始めてそろそろ10年ですが、まだ雪が好きです」という。「まだ」というのが、札幌に対して、雪の苦労も含めた愛情を表している。

「息子はスキーの上手なかっこいい男子に育てます」

と言い切る所がいい。「札幌はフレンチ、イタリアンの美味しいお店が沢山あって、もっと観光客にも注目されたらいいなと思っています」という。次は地図データを使ってどんないいこと考えてくれるかたのしみだ。「川人さんに保育園マップの相談をしたのもオータムフェストのシェフズキッチンの会場でした」と楽しい札幌生活を愛でる姿がまたいい。

 

(2014.11.8 杉山幹夫)