『羅臼の漁師』   ~365日の死闘~

 

羅臼の冬の海での死闘

 

 羅臼で獲れるエゾバフンウニは世界一と呼ばれるほど濃厚で美味しいです。そして身も綺麗な色をしています。地元の人は好き嫌いが激しいですが・・・。

 ウニ漁をしている漁師さんは9月あたりから自分の仕事がない暇な日に海へ行き冬になったら自分の獲る場所にウニを移動させます。そして、12月に入って作業道具を作り1月中旬から本格的なウニ漁の開始です。朝7時から漁を始め昼の12時には漁をやめなければなりません。羅臼にいるとわかるのですが羅臼の朝というのは海風も吹いてもの凄く寒く、毎日氷点下まで下がります。その中で漁をする漁師さんたちは地元でも本当に凄いと思います。およそ7月上旬あたりまで漁をします。

 海が荒れている日や海が濁って見づらい日などは基本的に休みとなります。したがって1ヶ月の半分近くは休みとなることが多いです。休みになるかならないかは本当に微妙な判断で6時半くらいまで待つこともあります。

 獲れたウニは殻を割り身だけの状態にします。そしてきれいに洗い商品価値の高いものや低いものに分けて次の日の朝出荷となります。次の日にすぐ出荷なので昼から夜9時くらいまでの仕事となります。

 羅臼のエゾバフンウニはこのようにして出荷されています。羅臼の漁師さんたちの苦労があっての美味しさなんですね。

 

羅臼の自慢!鮭漁!!

 

  羅臼でとれる鮭には様々な種類がありそれぞれ脂ののりや獲れる時期も違います。またなかなか獲れない種類の鮭もいます。みなさんの想像している鮭は1種類だけという人が多いかもしれませんが実は1種類だけじゃありません。

 まず一般的な鮭というのは川で稚魚が誕生し北太平洋のほうへ行き3~4年経ってから自分の川へ帰ってきます。そこで産卵し次の子孫が誕生します。実際、僕の通っていた小学校では1月に鮭のふ化場から生後間もない稚魚を受け取り5月まで育て近くの川で放流するという行事が毎年ありました。放流されてすぐにオショロコマという川に生息している魚に食べられる稚魚もいて自然の厳しさなども痛感することができました。当時は一生懸命育てた鮭がすぐに食べられショックでした。

 このように稚魚は最初は数え切れないほどの数がいるのですが、北太平洋に行き、自分の川に帰ってくるまでにさまざまな天敵に食べられてしまいます。帰ってくる頃にはほんのわずかしかいません。そのほんのわずかな鮭を待ち構えているのが漁師ということになります。

 

「秋鮭」

 秋鮭は羅臼で一番獲れる、みなさんもご存じである秋(9月上旬~11月下旬)に獲れる鮭です。3~4年後に自分の川に戻ってくる鮭です。天然魚となっています。秋鮭はオス、メス、見た目やサイズによって種類分けされオスの一番上のランクにあたる「銀」という中から4㎏以上で漁師が厳選した秋鮭を「知床羅臼銀毛鮭 羅皇(らおう)」とブランド化されています。地元の人たちでも食べることが少ないのでもの凄く貴重な鮭ということがわかります。

 

「時不知(ときしらず)鮭」

 羅臼では「トキ」や「時鮭」とも呼ばれることがあります。これは秋以外に獲れた鮭のことです。このトキという鮭は秋鮭と違い漁獲量は少ないときでゼロの日もあります。もの凄く貴重であまり獲れない鮭です。羅臼では夏に定置網で漁獲します。しかし、8月上旬くらいになるとすぐ獲れなくなることが多くそこで切り上げる場合が多いです。「今日ダメだったわー。」などの声を夏は聞くことが多いです。食べてみたらわかるのですが秋鮭よりも美味しいという人のほうが多いです。羅臼でもトキが食卓に並ぶと取り合いにもなることが・・・。

 

「鮭児(ケイジ)」

 ケイジは秋鮭が終わる頃の11月上旬から中旬にかけて知床から網走付近でとれる脂ののった若いシロザケです。そのような鮭であれば、ほとんどケイジであると言われています。ただ、鑑別点もあり、腹を開けて胃袋の下側の幽門垂の数が220くらいあればケイジです。脂肪の比率が20~30%と極めて高く1年通して水揚げは約480尾と言われています。魚対いっぱいに脂がのっており、全身トロ状態です。1万本に1~2匹の割合しか獲れないのでこの数字を聞くともの凄く珍しく貴重ということがわかります。17年近く羅臼に住んでいる高校生は見たことがない人のほうが多いと思います。地元の人でも食べたことがあまりない鮭です。是非一度食べてみたい鮭ですね。

 

 

 KING OF THE Rausu’s food

 

   羅臼の海は自然の密接な関わりにより豊かな漁場となっている。秋には、その栄養を求めイカが大量にやってくるそのイカを求め、全国各地から外来船が集結するほどである。

 恵まれた大自然によって羅臼では、数多くの種類の魚が捕れるが、どこよりもおいしく自慢できる魚の一つとして「ホッケ」があげられる。羅臼のホッケは脂身が豊かでありながら癖がない味でさっぱりしている。特に居酒屋などで人気の魚だ。

 羅臼のホッケは大きく二つに分けられる。しまホッケと、真ホッケである。羅臼の漁師は真ホッケ方を好んで食べる。最高級の味を持つ羅臼のホッケ、その中でも脂ののりが良くより洗礼された味が真ホッケ。そう、これこそが羅臼の「究極の味」なのである

 一年間を通して捕れる羅臼のホッケだが、羅臼でもっともおいしいホッケを食べられるのは、夏から秋の時期だ。夏から秋にかけては、獲れたてのホッケをその日のうちに天日干しすることができる。冷凍されることなくその日にとれた新鮮なホッケを干物に加工する。このように干されたホッケを現地では「ホッケの開き」と言い、羅臼ではかなりポピュラーな食べ方である。

究極の味というものを体感したいあなた!!「最果ての地 羅臼」は、いつでもあなたが来るのを待ってるど~!

 

昆布漁は大変!!

 

 昆布の仕事は、とにかく大変の一言に限る。まず、昆布漁は力仕事が多いので、力がない人には厳しい仕事。また、昆布の仕事は朝早く起きて(早い時で午前3時)仕事をしなければならないので大変。そして、一番大変なのは、夏の間は毎日毎日海に出て、昆布の管理(海に着けてある昆布の雑草を取るなど)をしないといけないことだ。そのほかにもいくつかの作業が加わる。このことから羅臼昆布は昆布漁師たちが手間暇かけてつくっているので値段も一般の昆布より値段が高い。羅臼昆布は、おもにダシを取るのに使われる。この昆布から出るダシは、ほかに類を見ない旨さだ。

 ちなみに、羅臼の人たちは小学生から昆布漁をやっているのが普通でみんな早起きができる。昆布の仕事は、だいたい一年中あるが7月から8月くらいが山場だ。そのころ高校生や小学生は、自分の家の手伝いや他の家のバイトに行ったりする。昆布漁師の子供たちは、そのもらったお金で、修学旅行のお金にする人が多い。