和歌山大学観光学部9期生、出口ゼミです。今回男性陣は曳き手として二日間参加させていただきました。そこで体験した曳き手の一日をまとめました。
~一日目~
朝8時に集合。さっそく準備に取り掛かります。
上の写真のものが笠鉾と言われるもので、「お笠」とか「だし」と言ったりするそうです。
人形を乗せたら、準備完了。最初の人形は「新田義貞」
飲料はたくさんリヤカーに入っているので、持って行かなくて大丈夫です。
ただ、7割、いや8割はビールが入っていたので注意が必要!
~必要なもの~
・手袋・動きやすい靴・タオル・帽子・日焼け止め
朝から日本酒で乾杯!出発です!
田辺祭りはお笠を曳いて町内をまわり、各場所でお勤め(お祓いのようなもの)をします。
最初の目的地は江川漁港。ここでお勤めをした後、昼食を食べます。なぜ江川漁港に?
①塩で清めるため
②神は海からくると考えられているため
この二つの言われから江川漁港が御旅所になっています。
御旅所は進行方向に向かって右側にありますが、あえて左回りでお笠を近づけました。
これは左回りが縁起良いと言われ、他の場所でも必ずお勤めの際は左回りです。
お勤めが終われば待ちに待った昼食。大変豪華!
昼休憩が終わり、13:30頃再び出発。
次の目的地は世界遺産に追加登録された闘鶏神社です!
神社には、17:45頃到着予定。それまで休憩をはさみ歩き続けます。しんどいかと思われますが、休憩時間はたっぷりあります。この間に世代を超えたコミュニケーションが生まれていました。
また、途中で人形を入れ替えます。南新町には4体の人形があり、町によって乗せている人形が違うのも見所です。
日も落ちて、ついに闘鶏神社に。
一日目は鳥居前でお勤め。明日はお宮に入ります。
そして一日目の最後には、会津大橋目指して全町の笠鉾が集まり、曳き揃えします。
各町の笠鉾は子供を乗せ、曲に合わせて「コーライ、コーライ」とみんなで声を出して進みます。このとき奏でられる曲は町によって違いますが、実際に演奏されている方にお話を伺うと、数百年前の祭りの始めは各町同じ曲を演奏していたのではないかということ。曲の練習は口伝えでのみ継承されてきたとのことで、楽譜のようなものは存在していないようです。田辺祭りの深い歴史を感じました。
そして町の熱気や一体感をまといながら笠鉾は会津大橋を目指します。
笠鉾の光が川にも反射して本当にきれいです。曳いている側からは全く見えませんが、たくさんの人が向こうの橋に集まっていて、祭りの熱気は最高潮に達しました。曳き揃えを終え、笠鉾は各町のお宿に戻り、長い長い一日が終了しました。まだ一日目ですが、町の方々とも休憩時間や食事を通じてコミュニケーションがとれ、まるで小さな頃から南新町で育ってきたかのように思えました。