関内駅から元町中華街駅まで歩いていると、街頭でウエディングフォトを撮影している素敵な夫婦を見かけた。その結婚式場『la banque du LoA』は大きな2本の柱が印象的な綺麗な結婚式場であった。その建物がの外観が気になりふと調べてみると、なんと横浜市指定文化財に指定されているという。この建物どんな歴史があるのだろうか?

 

2021/09/16 撮影(Rino1013)

 

 この建物の原点は、1921年に建設された「露亜銀行横浜支店」であり、当時の他の銀行に比べ大きな装飾が施されているバロック様式である。

 この銀行は、鉄筋コンクリートで作られていたため、1923年の関東大震災で街のほとんどの建物が倒壊したにも関わらず生き残った数少ない建物だ。同様に、1945年の横浜大空襲でも破壊されず、横浜で唯一の現在に残る外国資本の銀行建築である。

 そのため、2006年に横浜市の指定文化財となった。しかし、かつての銀行と現在の結婚式場以外の間にも歴史があるのだ。この建物は二転三転と、用途を変えて利用されていったのである。

 

 この露亜銀行は、経営が困難になった露清銀行が北方銀行と合併してできたものだったが、1926年に日本から撤退してしまう。

その後、J・H・モーガンという主に横浜周辺の洋館を設計したアメリカの建築家の事務所となり、1928年には横浜瓦斯局(ガス事業)へ、さらに、1935年からはドイツ領事館、そしてアメリカ銀行へと用途が変わった。短い期間での変化はさらに続き、1959年に横浜入国管理事務所(出入国在留管理局)、続いて1978年に警友病院として使用された。

 

 しかしながら、1996年に警友病院はみなとみらいに移転して以降は空き家になってしまっていた。しばらく時が経ち、2005年から土地を活用する県の取り組みによって民間の企業が選ばれた。その企業が2010年からさらに1年かけてリノベーションし、2011年に現在の結婚式場である『la banque du LoA』が完成した。

 

この結婚式場の公式サイトにて、

 

”「ラ・バンク・ド・ロア」としてリノベーションされた現在も、イオニア様式の円柱や三角形のペディメント、大階段やらせん

 階段など、建物の随所に価値あるしつらえが大切に守り継がれ、時代を越えてなお輝き続ける本物の魅力を放っています。”

 

ラ・バンク・ド・ロアの歴史 | ラ・バンク・ド・ロア 横浜・山下町の結婚式場 (yokohama-loa.com)より引用)

とあった。

 

(大階段の写真)ーラ・バンク・ド・ロアの歴史 | ラ・バンク・ド・ロア 横浜・山下町の結婚式場 (yokohama-loa.com)より引用(らせん階段の写真)ーラ・バンク・ド・ロアの歴史 | ラ・バンク・ド・ロア 横浜・山下町の結婚式場 (yokohama-loa.com)より引用

 

『la banque du LoA』は、綺麗なだけでなく、約100年以上もの歴史を記憶する特別な結婚式場だった。