はじめに

2021年10月に、突然厚沢部町内のPTAを廃止し、「保護者の会」に変更することが厚沢部町校長会から厚沢部町PTA連合会理事会に提案されました。この提案に基づき、11月にはPTA解散の賛否を問うアンケートが実施され、賛成多数でPTA廃止の方向に進みました。

長く続いてきた厚沢部小学校PTAの歴史が突如打ち切られる形となり、役員を長く務めてきた者として責任を感じています。解散に至る経過を記録として残します。

 

解散までの経過

2021年    
10月4日 町P連理事会 校長会から、「令和4年度から町内単Pを各校の保護者の会に変更してはどうか」との提案
 10月25日 PTA役員会 町P連からPTA廃止にかかるアンケート実施予定について周知
 11月1日 アンケート実施  
11月15日& PTA三役会 アンケート結果の報告
11月29日 町P連理事会 アンケート結果に基づくPTAから保護者の会への変更の協議
 12月1日 アンケート結果通知 PTA組織改編のアンケートを受けて厚沢部町内のPTA連合会を解散する旨の通知
12月22日 PTA三役会議 厚沢部小学校保護者の会会則原案及び保護者の会イメージについて事務局説明
 2022年    
1月25日 PTA三役会議 厚沢部小学校保護者の会会則原案審議
2月15日 PTA役員会議 厚沢部小学校保護者の会会則原案審議
4月7日 PTA三役会議・役員会議 会及び保護者の会設立議案審議
4月15日 PTA解散総会及び保護者の会設立大会  

 

10月25日開催PTA役員会議事要点

突然、PTA廃止の提案がなされた10月25日の役員会では次のような意見や質問がなされました。

アンケートのやり方について

  • アンケートをとってPTA廃止を決める場合、どのような結果なら廃止となるのか過半数なのか、3分の2以上などとするのか、重要な案件なのに決め方が曖昧だ。
  • アンケート結果が各校でバラバラだった場合はどうするのか。
  • アンケートを取ることも含めて、全て決定事項のように一方的に「周知」という形で伝えられることはおかしい。単Pのことは単Pで議論して進めるべき。

 

議論の進め方について

  • PTAの課題はそれぞれの単Pで異なっていると思うが、メリットやデメリットについては、厚沢部小学校PTAとしてはピンとこないものが多い。
  • 単Pの活動で課題がある場合は、まず単Pで議論し、単Pで解決できない全体的な課題は上部団体である町Pへ上げて改善策を協議することが筋だと思う。しかし、各単Pの課題の把握なども十分に行われず、突然、一方的に廃止に向けたアンケートが行われるのは順序が違うのではないか。
  • 保護者会がどういうものになるのかわからないのに、PTAを廃止することだけは決めようとするのはおかしいのではないか。
  • 廃止を決めてから保護者会をどうするか考える、と教頭先生は説明していたが、あまりにも準備不足ではないか。
  • アンケートは現行のPTAと保護者会のどちらが良いかを問うものになると思うが、アンケートは質問の作り方で、いくらでも誘導できてしまう。アンケート案も示されず、保護者会の内容も説明できないビジョンのない状態でアンケートが行われることが不安だ。
  • 先生方に大変な負担があるのなら、腹を割って話して欲しい。子供のために、地域のためになにかやりたいという気持ちは多くに方がもっていると思うが、それをどのように続けていくかということを話しあわずに、活動をやめることばかり考えているように感じてしまう。


保護者の会について

 

  • 保護者会にすることで、教員の働き方改革と保護者の負担軽減につながるとしているが、活動縮小していかない限り、誰が負担するかという問題で、全ての負担が軽減されることにはならないと思う。
  • PTA会費を徴収しない場合、地区PTAや学年PTAでかかった経費を精算し引き継いでいかなければならず、かえって事務手間がかかる。口座をもっている地区PTAでなどでは名義変更や規約改正なども行う必要が発生し、かえって大きな負担になる。
  • 事務の分担など、単Pで話し合って解決できることがたくさんあるはずだが、解決策がPTA解散しかないかのようになっており、不自然だ。

 

PTA連合会について

  • PTA連合会から脱退することを目的としてPTAを廃止するというのは本末転倒ではないか。
  • 檜山全体に影響することなので、厚沢部だけで突然脱退すれば他町に迷惑をかけてしまう。丁寧に時間をかけて説明し、他町への迷惑をかけない方法を検討していかなければならない。
  • 檜山PTAや北海道PTAの事業に参加するのが負担になっているとしても、負担の少ないやり方を提案して改善する努力は必要だと思う。前回の厚沢部大会では、分散会を廃止し、準備等の負担軽減に務めた経緯もある。


PTA組織改編アンケートの実施

アンケートの内容

2021年11月1日にPTA組織改編にかかるアンケートが安心メールを通じて実施されました。回答期日は11月7日とされました。アンケートフォームは記名投票方式で、PTA組織改編に関する問は「賛成」、「反対」、「どちらとも言えない」の3択でした。

11月1日送信アンケート実施案内

アンケートフォーム

 

アンケート依頼文書におけるPTA組織改編にかかる説明要旨は下記のとおりです

  • 「保護者の会」変更しても学校・家庭の連携は変わらない
  •  PTA研究大会の参加義務がなくなる
  • PTA連合会への負担金がなくなる
  • PTA会費という形での集金がなくなる


アンケート結果

アンケート結果を受け、12月1日付PTA連合会会長・副会長・理事連名によるアンケート結果の周知とPTAを解散し保護者の会とする通知文書が発出されました。PTA三役に示されたアンケート集計結果は下表のとおりです。

区分 有効回答 賛成 反対 どちらとも
町全体 220 142 18 60
    64.5% 8.2% 27.3%
厚沢部小 80 32 12 36
    40.0% 15.0% 45.0%



12月22日PTA三役会議要点


会議概要

  • 1〜3月のPTA活動
  • 令和4年度からの厚沢部小学校保護者の会イメージについて
  • 厚沢部小学校保護者の会会則原案について
  • 今後のスケジュールについて

 

質疑・確認事項


アンケート結果について

 

  • アンケート結果は厚沢部小学校に限った場合、賛成は有効票の40%だった(有効票80、賛成32、反対12、どちらともいえない36)。10月25日開催の役員会では「過半数」の賛成でPTAで脱退を決めるという説明だったが、厚沢部小学校に関しては過半数を越えていない。この数字をどのように考えるのか。町P連の考え方を確認してほしい。
  • また、町全体の有効回答数に対して、厚沢部小学校有効回答数が80となっている。そもそも、アンケートの基礎となるPTA会員数が何人になるのか、各校の回答内訳がどうなっているのかなど、基本的な情報について教えてほしい。

 

会費等の徴収方法


これまでは、年度当初に会費の徴収を行っていたが、保護者の会では学年部会と地区部会で都度徴収とされている。しかし、安全互助会は年度当初に一括で加入することが望ましい。教頭先生からは、学校で徴収する旨説明があったが、保護者の会の会計がないことから、これをどのように取り扱うのか決める必要がある。

  • 保護者の会の会計業務を誰が行うのか
  • 仮に今の事務局がこれまでどおり会計業務等を行う場合、非会員の学校職員がこれを行うことが適切か
  • 口座等は誰が作成・管理するのか
  • 保護者がこれを行う場合、「特定の保護者」の負担が極めて高くなるのではないか


地区PTA等の会計について


PTAから保護者の会になることで、地区PTA等独自の口座をもっている下部組織の口座名義にも影響すると考えられる。これらの下部組織の口座名義の円滑な移転について、特定の保護者に大きな負担を懸けることなく実施できるよう、現状把握と方策を示してほしい。
 

保護者の会の決定機関と役員


規定案では学年部会と地区部会しか示されず、当会を統括する決定機関が存在しない。組織として不完全であることから、最高議決機関である総会の規定や中心となる役員会の設置が必要である。

また、学年部長や地区部長が役員を兼務することは学年部長や地区部長の負担が著しく増加する。一方、保護者の会に別途代表者や役員を設ける場合には旧PTAの組織と変わるところがなくなるため、保護者の負担軽減にはならないのではないか。

  • 議決機関(総会・役員会)の規定を設けること
  • 議決組織の構成員(学年・地区部会長以外の役員)にかかる規定を設けること
  • 上記の場合、旧PTAの組織と変わるところがなくなるため、保護者の負担が減るとする理由の説明をすること

 

保護者の会のメリット


10月25日開催の役員会では保護者の会のメリットとして次の点を挙げている。

  • 特定の保護者にかかっていた負担を軽減できる。
  • PTA会費がなくなり、金銭的負担の低減が図れる。
  • 教員の働き方改革を推進し、時間外勤務を削減することができる。


提案された会則等は上記のメリットとどのように関係するのかを説明してほしい。。


扶助費の措置

 

  • PTA会費に措置されている扶助費が保護者の会でも措置されるのか、教育委員会と協議すること。
  • 措置できない場合の代替案を提案すること。


2月25日PTA役員会議要点

事務局説明

  • 各PTA活動報告・決算書等作成について
  • 臨時PTA総会までの日程について




質疑等


組織の解散について

質問:口座の新設や規約の制定など、様々な手続きが煩雑で保護者の負担が増加している。どうしても、PTA解散にこだわる必要があるのか。保護者の会にするだけなら規約の改変だけで良いのではないか。
回答:PTA連合会で足並みをそろえて決めたことなので、解散することは変えられない。
 

PTA口座の手続き

質問:組織再編に伴って規約改正や口座名義の変更あるいは新設が必要になると聞いている。まもなく地区PTAの総会議案を作成するが、どのような議案にすればよいのか。手続きの進め方について教えてほしい。
回答:学校に聞かれても口座の手続きはよくわからない。